3. 厚生年金「男性ひとりで月16万円以上」受給する人の割合は?
厚生年金を受給している人の平均受給額はいくらでしょうか。厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。
3.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
全体は14万3973円でしたが、男性の平均受給額は約16万円でした。
ひと月16万円以上もらえる男性の割合は56.9%で、過半数ということになります。この結果から、男性で年金を月16万円以上受給しているというのは、ごく平均的ということになりそうですね。
なお、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などを活用すると、将来の年金受給額の目安を確認することができるので、気になる人は見てみましょう。
4. 将来の年金を増やすには?
「月16万円もらえれば十分」と感じる人もいれば、「16万円では生活できない」と感じる人もいるでしょう。
厚生年金の金額を増やすには、加入期間を増やしたり、繰り下げ受給を利用する方法があります。
加入期間については、厚生年金制度を導入している企業に属する期間を延ばすというのが選択肢になります。
国民年金の加入対象は原則20歳から60歳未満ですが、厚生年金については入社した時から原則70歳までとなります。
60歳の定年退職後も働き続ける人が増えているので、働くことに負担がなければ継続雇用してもらうとよいでしょう。
年金の「繰下げ」とは、66歳以降に年金を受給することです。
遅らせた分、1ヶ月あたり0.7%増額して年金額で受給可能です。66歳以降75歳までの間、1ヶ月単位で受給する時期を選ぶことができます。
自分のライフプランにあわせて、受給時期を検討してみましょう。
5. 資産運用を活用してお金を増やす方法も
自分が働いて収入を増やす方法もありますが、資産運用などで「お金」に働いてもらうのも効果的です。
2024年には新NISAがスタートし、個人でも資産運用に挑戦しやすい環境が整ってきました。
投資信託などの運用にはリスクが伴いますが、その分銀行預金よりも高いリターンが期待できます。
また、投資信託にはさまざまな金融商品が用意されているため、個人に合わせたリスク・リターンの組み合わせを考えることもできます。
将来のお金の不安をなくすためにも、ぜひ参考にしてみてください。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 内閣府「生活設計と年金に関する世論調査」
- 日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ受給」
中本 智恵