40歳代、50歳代になると、老後への不安が大きくなる人が増えてくると思います。

では、現在年収500万円の会社員は具体的にいくらの年金をもらえるのでしょうか。現在の年収と同水準の年間500万円の年金を受け取ることは可能なのでしょうか?

本記事では、年収500万円の会社員が老後にもらえる年金額をシミュレーションします。繰下げ受給を利用して受給額を増やす方法も紹介するので参考にしてみてください。

1. 年収500万円の会社員はどれくらいいるのか

年金受給額を確認する前に、年収500万円の会社員がどれくらいいるのかを確認しておきましょう。国税庁長官官房企画課「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、会社員の年収分布は以下のとおりです。

1.1 給与所得者の年収分布

 年収            割合

  • 100万円以下        7.8%
  • 100万円超200万円以下   12.7%
  • 200万円超300万円以下   14.1%
  • 300万円超400万円以下   16.5%
  • 400万円超500万円以下   15.3%
  • 500万円超600万円以下   10.9%
  • 600万円超700万円以下   6.9%
  • 700万円超800万円以下   4.8%
  • 800万円超900万円以下   3.3%
  • 900万円超1000万円以下   2.2%
  • 1000万円超1500万円以下 4.0%
  • 1500万円超2000万円以下 0.8%
  • 2000万円超2500万円以下 0.3%
  • 2500万円超         0.3%

年収500万円を超える人は、全体の33.5%です。そのため、年収500万円は比較的高年収であるといえます。

では、現役時代の平均年収が500万円の会社員は、老後に年金をいくらもらえるのでしょうか。

次章で平均年収別の年金受給額をシミュレーションしてみましょう。

2. 年収500万円の会社員がもらえる年金はいくらか

では、さっそく年収500万円の会社員が老後にいくらの年金をもらえるのかシミュレーションしてみましょう。

以下の条件で、年収ごとの年金受給額をシミュレーションします。

  • 1975年生まれ
  • 23~64歳まで会社員として勤務
  • 65歳から年金受取を開始

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

平均年収ごとの目安年金受給額(額面)2/3

平均年収ごとの目安年金受給額(額面)

出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」を基に筆者作成

2.1 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)

 平均年収:年金受給額の目安(額面)

  • 200万円:月10万5000円
  • 300万円:月12万5000円
  • 400万円:月14万円
  • 500万円:月16万円
  • 600万円:月18万円
  • 700万円:月19万5000円
  • 800万円:月21万1000円
  • 900万円:月23万3000円
  • 1000万円:月23万5000円

年収500万円の会社員が老後に受け取れる年金は月16万円、年間にすると約192万円です。年間500万円にはとても及びません。

貯蓄がない場合、老後は生活水準を下げざるを得ないでしょう。

3. 「繰下げ受給」を使えば年金を増やせる

年収500万円の会社員の年金受給額が決して多くないことを確認しましたが、「繰下げ受給」を利用すれば年金受給額を増やすことが可能です。

繰下げ受給とは、年金の受取開始時期を65歳以降に遅らせることで年金受給額を増やせる制度となっています。

先ほどと同様の条件で、繰下げ受給を利用した場合の年金受給額をシミュレーションしてみましょう。平均年収ごとにみた、シミュレーション結果は以下のとおりです。

繰下げ受給を利用した場合の年金受給額3/3

繰下げ受給を利用した場合の年金受給額

出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」を基に筆者作成

3.1 繰下げ受給を利用した場合の年金受給額

【平均年収:300万円】

  • 通常受給額:年間150万円
  • 1年繰下げ:年間162万円
  • 3年繰下げ:年間187万円
  • 5年繰下げ:年間213万円

【平均年収:500万円】

  • 通常受給額:年間192万円
  • 1年繰下げ:年間208万円
  • 3年繰下げ:年間240万円
  • 5年繰下げ:年間273万円

【平均年収:700万円】

  • 通常受給額:年間234万円
  • 1年繰下げ:年間254万円
  • 3年繰下げ:年間294万円
  • 5年繰下げ:年間333万円

*税金と社会保険料は考慮しない

年収500万円の会社員が5年繰り下げて70歳から年金受給を開始した場合、年間273万円の年金を受け取れます。

65歳から受取を開始した場合にもらえる年金は年間192万円のため、繰下げ受給を利用することで年間81万円も受給額が増やすことが可能です。

少しでも年金受給額を増やしたい人は、繰下げ受給の利用を検討してみてもいいかもしれません。

4. 老後生活に向けて準備を始めよう

本記事で紹介した通り、年金受給額は現役時代の年収より少なくなります。

そのため、現役時代と同水準の生活を送りたい場合は年金以外に老後資金の準備が必要です。今のうちから、新NISAやiDeCoなどを使った資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

苛原 寛