60歳代の貯蓄格差があらわに。平均2000万円超も「100万円未満」が最多!老後2000万円問題どうする?
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2024年1月、厚生労働省が令和6年度の年金額について公表しました。これによると、2024年4月分からの年金額は2.7%の増額です。
3月末に退職を迎えた多くの方が現在、公的年金を受け取り、セカンドライフが始まっていることでしょう。
しかし、現役世代の中には、老後資金が十分に貯まっていないと不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
今回は、60歳代の世帯に焦点を当て、セカンドライフを送る方々の平均的なお金事情を探ってみます。
後半では、60歳代で「貯蓄100万円未満」の割合や、実際に現代シニアが受給している年金額を一覧で紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
1. 【2024年度の年金額】2.7%増額改定へ。厚生年金と国民年金はいくらもらえる?
年金額は毎年度改定されます。
厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。
1.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。
厚生年金の23万483円という数字は、夫が40年間会社員として月額43万9000円を稼いだ場合の厚生年金と国民年金、そして妻が40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった場合の2人分の年金額を合わせたものです。
2024年度は物価変動率が3.2%、名目手取り賃金変動率が3.1%となりましたが、マクロ経済スライドによる調整もあり、年金額の改定率は実質的には2.7%となりました。
年金額が上がることはありがたいことですが、急速な物価上昇で現代シニアの生活は今後も厳しい環境になっていくことが予想されます。
ここからは、厚生年金と国民年金の平均受給額と、気になる60歳代の貯蓄額分布を円グラフにして紹介していきます。データから、60歳代で「貯蓄100万円未満」と答えた人が想像以上に多いことがわかりました。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
武庫川女子大学文学部卒業後、2015年に株式会社三菱UFJ銀行に入社。支店にてお客様相談課に配属され、国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、保険商品、住宅ローンなどの販売を通じ、主に個人顧客向けに資産運用提案業務に従事した。特に投資信託、保険商品の提案を得意とし、豊富な金融知識を活かした顧客ニーズに沿う提案が強み。表彰歴多数。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。
現在は株式会社ナビゲータープラットフォームのメディア編集本部・LIMO編集部に所属。「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」では厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。(2024年2月27日更新)。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は株式会社ナビゲータープラットフォームが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、キャリア、転職などをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児の母。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年6月20日更新)。