年収1000万円といえば、サラリーマンのわずか4%ほどしかいないとされます。しかし、1000万円を稼ぐ人の中には、「ちゃんと調べてしっかり選べば1000万円は決して夢ではない」と断言する人もいます。一体どうすれば、年収1000万円実現の近道を見つけられるのでしょうか。実際に1000万円超を稼いできたA氏から話を聞きました。

探せば意外に多い? 年収1000万円を稼げる企業

A氏は大学卒業後、日系の大手金融機関、外資系金融機関などを経て20歳代後半の時点ですでに年収1000万円に到達していたといいます。一方で、現在ベンチャー企業を経営するA氏の周囲には、就職活動時にイメージだけで就職先を決めたり、初任給ばかりを見ていて数年後に年収がどれほど得られるのかなどをあまり考えてこなかったような人もいるといいます。

「実際に入れるかどうかはともかくとして、ちゃんと調べてしっかり選べば1000万円もらえる企業を見つけるのはそう難しいことではありません」と話すA氏。A氏は高年収を稼ぎやすい就職先・転職先選びのポイントは3つあるといいます。

1000万円への道(1):規制業種を狙ってみる

まず「若くして周りよりも高収入を得たければ規制業種を狙うべきだ」とA氏は話します。

ここでA氏が言う「規制業種」とは、事業を始めるのに免許や認可が必要だったり、監督官庁の指導などが厳しい業種のことを指します。

たとえばA氏が勤務してきた金融業界は、典型的な規制業種といえます。その他にも、通信、医薬、放送、鉄道、自動車なども規制業種といえるでしょう。では、なぜ規制業種を選ぶと年収1000万円に近づけるとA氏は言うのでしょうか。

規制業種においては事業を始めるのに免許や認可が必要なため、参入障壁が高くなりがちです。これは言い換えると、新規のプレーヤーが相次ぐといった事態にはなりにくい、つまり、競争が厳しくなりにくい、ともいえます。

一方で企業として見たときには、規制業種であることそのものが強みになるともいい「孫正義氏が率いるソフトバンクも、通信事業が現在のコア事業になっているのは偶然ではないでしょう」とA氏は指摘します。

こうした規制業種の平均給与はほかの産業に比べると高くなる傾向にあり、就職先としても人気が高く、転職時の倍率も高いことが多いようです。ただ、A氏は高年収を狙うのであれば、就職先・転職先の候補のひとつとして、まず検討をしてもよいといいます。

A氏自身は、金融機関で実際に働いてみたことで「誰が担当しても結果はそれほど変わらないビジネスモデルだと実感した」ともいいます。それこそがまさに規制業種の強みだともいえますし、高年収を得やすい理由ともいえるでしょう。

年収1000万円への道(2):スーパーマンに依存していないか

次にA氏は「たとえ仕事内容が地味に見えても、高年収を求めるならビジネスモデルが強く、個々の能力に依存せずに拡大していける事業を持つ企業を選ぶべきだ」と指摘します。

逆に、仕事のできるいわゆる「スーパーマン」に依存した事業や企業は業績のブレが大きく、ボーナスの比率が高いと意外に年収は安定しないというのです。

たとえば弁護士や売れっ子コンサルタント。高年収の代表格ともいえる職業ですが、時間当たり単価が高い職種とはいえ自分の時間をサービスとして提供している以上、24時間365日以上は提供することができず、売上の上限は決まってしまいます。

スーパーマンに依存すると限界がある、とA氏が指摘する理由はこの点にあります。それならば、自分の成果の上限を決めないビジネスモデルを扱う企業に就職するのがよいだろうというのがその理由といえます。

年収1000万円への道(3):一発当てたいなら相場関連?

やはり規制業種や強いビジネスモデルを持つ企業は王道といえますが、その一方で「どうしても一発当てたいというというならば、相場関連の仕事もよいのでは」とA氏は話します。

これは、個人で専業トレーダーになるという意味ではなく、あくまでも金融機関に勤め、職務としてトレーダーをする、ということを意味しているようです。

その理由をA氏は次のように話します。

「相場において自分自身でレバレッジをかけていた場合、万が一運用に失敗したら自分でカバーしなければならなくなります。でも金融機関のトレーダーならば、年齢に関係なく、高いパフォーマンスを出せば契約内容に応じてボーナスがもらえます。万が一パフォーマンスが悪かったとしてもクビになるだけですし」

まとめにかえて

A氏の考え、いかがでしたでしょうか。就職活動や転職活動の際に働きやすい企業を選びたい、年収が高い企業を選びたいというのは誰しも同じかもしれません。その際、高収入を得られる企業の共通点を見つけることができれば、探したり選んだりする作業にもより一層力が入るというものかもしれません。

LIMO編集部