すでに年金を受給している方にとって「次回の年金支給日」は4月15日となります。

2ヶ月に1度だけの支給のため、首を長くして待つ方も多いでしょう。

一方、2024年3月28日には「年金証書・年金決定通知書」が送付されます。

これから年金支給が始まる方は、過去のねんきん定期便等で受給額をチェックしつつ、決定通知書で再確認することになります。

しかし、実際には税金や保険料などが天引きされるため、振込額を見ると「何だか少ない」と感じることがあるのです。

そこで確認しておきたいのが「年金から天引きされるお金」と、それが記載される「年金振込通知書」についてです。

後半では、額面での年金平均額や65歳以上無職夫婦の平均赤字額についても解説します。

1. 年金から天引きされるお金は年金振込通知書で確認を

年金振込通知書とは、年金額面だけでなく天引きされるお金や最終的な振込額を受給者にお知らせするものです。

毎年6月に一斉に送付されますが、振込額が変更になる方や新しく受給される方に対しては6月以外でも送付されます。

年金振込通知書の具体的な記載内容は以下のとおりです。

1.1 (1)年金支払額

年金支払額は公的年金の総支給額で、「年金証書・年金決定通知書」に記載されている金額と基本的に一致します。

これまで確認していたねんきん定期便の見込額も、近い金額になるのではないでしょうか。

年金は年6回に分割して偶数月の15日に振り込まれるので、1回あたりの支給額は年金年額の1/6になります。

1.2 (2)介護保険料額

こちらには、年金から天引きされる介護保険料額が記載されています。

金額が記載されるのは天引きされる方だけで、対象者は「年間で受給できる公的年金が18万円以上ある人」です。

1.3 (3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)

介護保険料額の下段に金額が記載されていれば、後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)の天引き対象になっています。

該当する記載がない場合は、天引き対象とはなりません。

1.4 (4)所得税額および復興特別所得税額

年金から天引きされる所得税及び復興所得税の金額が記載されます。

年金支払額から社会保険料と各種控除額(扶養控除や障害者控除など)を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額となります。

ただし、所得が一定額に満たない場合は非課税になるため記載されません。

1.5 (5)個人住民税額

年金から天引きされる住民税の金額が記載されます。こちらも、所得が一定額に満たない場合は非課税になるため記載されません。

1.6 (6)控除後振込額

年金額から天引きされる社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額を差し引いた後の振込金額です。

実際に口座に振り込まれる金額は、必ずこちらの項目で確認しましょう。

1.7 (7)振込先

こちらには、年金が振り込まれる金融機関の支店名が記載されています。支店には、支店のほか支所、営業所、出張所等が含まれます。

どこの金融機関で年金受取の請求をしたのか、念の為確認しておきましょう。

記載される金額はあくまでも予定額で、年度途中で変更になることがあります。その都度市区町村から送付される通知書で確認するようにしましょう。