前述した通り、メルトダウンを伴う「原発事故」は3件しか、いや、既に3件も発生していますが、原子力発電所以外も含めた「原子力事故」は、それ以上の頻度で起きています。
前掲したINESのレベル4以下の原子力事故で見ても、日本だけで17件発生しており、そのうち15件は直近40年間に起きているのです(注:筆者調べ)。ちなみに、福島第一原発事故に次ぐ深刻な事故は、1999年9月に起きた「東海村JCO臨界事故」で、これが唯一のレベル4に該当します。覚えている人も多いのではないでしょうか。
原子力に関する安全性で一定の評価がある日本でもこのような状況ですから、世界ではもっと頻繁に原子力事故は起きています。有名な原子力事故としては、旧ソ連の原子力潜水艦爆発事故(1985年)、ブラジルのゴイアニア市で発生した放射能汚染事故(1987年)などがあります。
スリーマイル島原発事故発生の日に改めて原子力の功罪を考える
原発を含めて、原子力エネルギーは今や人々の生活に必要不可欠という見方があります。これが正しいかどうかは別として、産業界などが原発に大きく依存していることも事実です。そして、地球上の生命にとっての大きな危機に繋がるかもしれない危険性と表裏一体の関係にあるとも言えます。
39年前にスリーマイル島原発事故が起きた日に、改めて原子力の功罪について考えてみるのもいいのではないでしょうか。なお、現在、世界中では、稼働停止中を含めた440~450基前後(一部推定)の原発が運用されており、毎年5~6基が増加しているといいます。
LIMO編集部