参入メーカーが淘汰されたことで端末の選択肢が減り、以前に比べると話題が少なくなってしまったスマートフォン市場。そんな中、2024年3月14日に中国のスマホメーカーであるZTEがSIMフリー市場に新ブランドを展開するというホットなトピックを発表しました。しかも、第1弾は8万円を切る注目度抜群の折り畳みスマホです。どのようなモデルなのか、同社の戦略と合わせて紹介していきます。

ZTEジャパンが2024年3月14日に発表したスマホ新ブランド「nubia」

机の上に並べられたスマートフォンの写真

筆者撮影

1. 【ZTEスマホの新ブランド「nubia」】ZTEの世界と日本におけるこれまでの歩み

ZTEはグローバルにおいては販売実績・知名度ともにトップクラスのスマホメーカーで、米国市場でも高いシェアを誇っています。技術力の高さにも定評があり、端末の進化という点でも市場を牽引している存在といえます。

日本では2008年に日本法人が設立され、これまで大手キャリア向けに多くの端末を提供してきましたが、ここ数年は法人市場中心の戦略をとっていたため、コンシューマ市場では名前を聞く機会が少なくなっていました。それだけに今回の新ブランド展開には驚いた方も多かったのではないでしょうか。

新ブランド「nubia(ヌビア)」は2012年に立ち上がったブランドで、同社のポートフォリオの中ではハイエンドにあたります。特にカメラ性能は各国で高い称賛を受けており、「スマホの中の一眼レフ」と呼ばれることもあるそうです。

3月14日に開催された発表会で、ZTEジャパンの周涛代表取締役社長は「nubiaは『Be Yourself』というブランド理念をもっており、ユーザーに向けてユニークな使用体験とライフスタイルを提供する革新的な製品を目指している」とコンセプトを説明。日本市場における展開にも自信をみせました。

ZTEジャパンの周涛代表取締役社長

壇上で説明をする男性の写真

筆者撮影

日本市場への参入には「グローバル全体の方針」という事情もあるようですが、展開する端末をみるとその戦略の一端が分かります。新発売する端末は2機種あり、折り畳みスマホ「nubia Flip 5G」とエントリースマホ「nubia Ivy」です。まずは、価格のインパクトが強い「nubia Flip 5G」について詳しくみていきましょう。