新NISAがスタートしたり、日経平均株価が史上最高値になったりと変化を感じる昨今。
最近、筆者のお客様からも以下のような質問がたくさん寄せられます。
「新NISAを始めたのですがどの銘柄がおすすめですか?」
「インデックスファンドやアクティブファンド、ETFってなんですか?」
「インデックス投資信託が絶対いいと聞きますが本当ですか?」
スマホ一台でおすすめの銘柄や王道投資を調べられるようになりましたが、情報社会ゆえに迷子になられてしまう方が多いのが現状です。
投資初心者ほど、「これを選んでおけば安心」という謳い文句に安心感を覚えてしまう方もいるでしょう。
NISAのスタートにより投資のハードルが格段に下がった裏で、インデックスファンドとはどういうものか、アクティブファンドとはどんな仕組みなのか、これを理解せずに投資を始めている方が実は多いのです。
何かわからないものにお金を投資することほど怖いことはありません。
記事の後半では、インデックス投資信託において「後悔しがちな」選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1. 新NISA「つみたて投資枠」の特徴を整理
まずは、新NISA「つみたて投資枠」の特徴を整理しましょう。
新NISA「つみたて投資枠」は、「長期」・「積立」・「分散投資」の資産運用を支援する制度で、金融庁が厳選した投資信託の中からファンドを選択します。
1.1 新NISA「つみたて投資枠」の投資対象の要件
投資対象は、下記の金融庁の基準を満たすものに限定されています。
- 販売手数料はゼロ(ノーロード)
- 信託報酬は一定水準以下に限定
- 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
- 信託契約期間が無期限または20年以上であること
- 分配頻度が毎月でないこと
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
1.2 新NISA「つみたて投資枠」の投資対象ファンド
2024年2月29日現在、つみたて投資枠の投資対象ファンドは全部で281本となっており、そのうち227本を「指定インデックス投資信託」が占めています。
- 指定インデックス投資信託:227本
- 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):47本
- 上場株式投資信託(ETF):8本
2. アクティブ・ETFとは何が違う?なぜ初心者はインデックスがおすすめ?
しばしば「初心者はインデックスがおすすめだよ」と言われますが、盲信するのではなくその根拠を知っておくことが必要です。
指定インデックス投資信託・アクティブ運用投資信託等(指定インデックス投資信託以外)・ETF(上場株式投資信託の違いを整理します。
2.1 指定インデックス投資信託とは
つみたて投資枠の投資対象商品の約81%を占めるのが「指定インデックス投資信託」でした。
「指定インデックス投資信託」とは、以下のような指標(ベンチマーク)に連動する運用成績を目指す投資信託です。
- 日本株式:TOPIXや日経平均
- 米国株式:NYダウ
- 世界株式:MSCI指数
日経平均株価をベンチマークとするインデックス投資信託であれば、代表となる225銘柄に分散投資することで、ベンチマークに連動した成果を得られます。
2.2 アクティブ運用投資信託
「アクティブ運用投資信託」とは、ベンチマークを上回る運用成績を目指すものをいいます。
安定性よりも収益性を重視したい方に適しています。インデックス投資信託より積極的な運用を行う性質上、期待リターンとリスクが高くなるためです。
2.3 ETF(上場株式投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、ベンチマークに連動した運用成績を目指す投資信託です。
ETFは証券取引所に上場しているため、株と同じように市場価格で売買を行います。
このような違いを整理すると、「安定性を重視した資産運用を好む方にはインデックス投資信託がおすすめ」といえるのではないでしょうか。
初心者はリスクよりも安定性を重視することが多いため、始めるなら「インデックス投資信託」と言われやすいです。
しかし、だからといって「インデックス投資信託」なら何でもOKというわけではありません。
流行っているから、専門家におすすめされたから…というだけで選んでしまうと、後悔することもあるでしょう。
次章では、後悔しがちな選び方を3つ紹介します。