2024年3月6日にリリースされたヒューマン・データ・ラボラトリ株式会社「生活の充実度調査2023」によると、商品やサービスの値上がりについて「値上がりを感じた」と回答した60歳以上の人は91.0%にものぼりました。

急激な物価高や年金の目減りから、老後への不安感を覚える人が増えています。

今回は、「65歳以上の夫婦」を例にして受け取れる年金額や平均貯蓄額を確認していきます。

最後には「65歳以上・無職夫婦」のリアルな生活費を紹介するので、老後の生活を考える上での参考にしてみてください。

1. 国民年金と厚生年金、平均いくらもらえる?

セカンドライフにおける重要な収入源の「年金」ですが、現代シニアは平均でいくらぐらいを受け取っているのでしょうか。

まずは、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、2022年度末時点での国民年金と厚生年金の平均月額を確認してみましょう。

国民年金の平均月額(男女別)

国民年金の平均月額(男女別)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

1.1 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

厚生年金の平均月額(男女別)

厚生年金の平均月額(男女別)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

1.2 厚生年金の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

厚生年金の平均支給額は14万3973円ですが、男女での差が顕著に表れています。

夫婦で働く場合、自営業の夫婦の場合は平均で11万3224円、会社員の夫婦の場合は26万8753円となります。

ただし、厚生年金は個人の収入や加入期間に応じて支払う保険料が異なり、支払った保険料や加入期間によっても年金額が変わるため、個人差が大きくなります。

また、昨今の物価高の影響で受給額は目減りしていくと考えられています。今後は年金に頼らず老後の貯蓄を個人で備える人がますます増えていくと考えられますが、65歳以上の方は平均してどれくらいの貯蓄があるのでしょうか。

ここからは、65歳以上無職の夫婦世帯を例にとって平均貯蓄額を見ていきます。