2024年3月11日から、東京都が「暮らしを応援!TOKYO元気キャンペーン」を実施中。都内の対象店舗でキャッシュレス決済サービスを利用すると、決済額の最大10%がポイントで還元されるものです。

対象の決済サービスは、au PAY、d払い、PayPay、楽天ペイの4種類。決済サービスごとに上限3000円分のポイントが還元され、4つすべてのサービスを使えば最大1万2000円分のポイントが還元されるという。

このキャンペーンの目的のひとつに「物価高騰対策」が挙げられます。関東在住者からは「ポイント還元されるなら買っちゃおう!という気になる」という声も。

数年前と比べて、格段に利用者が増えた印象のあるキャッシュレス決済。それでは、実際にキャッシュレス決済の利用状況はどのようなものなのでしょうか。

今回は最新の意識調査と経済産業省による分析結果を交えながら、消費者物価指数についてもチェックしていきましょう。

1. 【要点】経済産業省「消費者実態調査」のキャッシュレス関連まとめ

まずは、経済産業省が行ったキャッシュレス実態調査について確認していきましょう。

そもそも、この調査が行われたのには、別調査で得られた「現状のキャッシュレス比率(32.5%)」の数値が、実態としてキャッシュレスが使われている肌感覚と必ずしも合致しないことが背景としてあります。

キャッシュレスの利用実態が網羅的にまとめられた調査、ポイントをおさえながらチェックしていきましょう。

1.1 キャッシュレス決済「浸透率」:「7~8割程度以上の利用」全体の54%

【性別・年代別】キャッシュレス決済利用者の割合

出所:経済産業省「消費者実態調査の分析結果 2023年3月」

調査の結果、日常生活において「7~8割程度以上キャッシュレスを利用する」と回答した人が全体の54%でした。キャッシュレス決済が浸透していることがうかがえます。

お釣りなどでかさばる現金と違い、とにかく支払時や履歴確認時など「利便性」の高いキャッシュレス決済。スマホの高い普及率とも関連性がありそうです。

1.2 キャッシュレス決済と「支払い額」との関連性:1000円以下で使用割合が増加

また、その他の質問において、タッチ決済の利用に意欲的な人ほど「1000円以下」の決済で現金を使用する割合が低下していることがわかりました。

さらに別の質問を分析したところ、フルキャッシュレス層であっても74%は現金を持ち歩いていると判明しています。

ここから「現金がなくても生活できる」と感じている人は少数派であり、コンビニや駅などの少額・高頻度の買い物においてキャッシュレス決済が選択されているといえるでしょう。

そんなキャッシュレス決済のなかでも、多くのアプリ・サービスがある「モバイル決済」に対してどのような利用意識、不安な思いがあるのでしょうか。