2. 【多年草ガーデニング】シックでモダンな和テイスト「アッツザクラ&ヒトリシズカ」

2.1 アッツザクラ

アッツザクラ Rhodohypoxis baurii/キンバイザサ科

アッツザクラの花。色は鮮やかなピンク。

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  • 学名:Rhodohypoxis baurii
  • 科名:キンバイザサ科
  • 草丈・樹高:5~15cm程度
  • 開花期:5月~6月ごろ

雌しべや雄しべの目立たない特徴的な花を咲かせるアッツザクラ。「サクラ」と名前についているものの、サクラやサクラソウは5弁、このアッツザクラは6弁です。

スッと伸びた切れ長の葉や佇まいから、どことなく和の佇まいがありますが、実は南アフリカ原産の半耐寒性球根植物です。

小さいけれど強健な性質を持ち、育てやすいお花です。

※参考価格:300~500円前後(3号ポット苗)

2.2 ヒトリシズカ

ヒトリシズカ Chloranthus japonicus/センリョウ科

ヒトリシズカの花。

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  • 学名:Chloranthus japonicus
  • 科名:センリョウ科
  • 草丈・樹高:10~30cm程度
  • 開花期:4~5月ごろ

山林に群生するヒトリシズカは日本特産の植物。ひっそりと咲き、人知れず散ってゆく風情からその名がつきました。源義経が愛した静御前の美しい舞姿になぞらえているのも有名ですね。

濃い緑の4枚の葉が、中心部の真っ白な花穂を包み込むような様子はしっとりと可憐で、なんともいえない日本的な情緒を感じさせます。

乾燥を嫌うので、春から秋の生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、真夏は水切れに注意しましょう。

※参考価格:400~800円前後(3号ポット苗)

3. 【多年草ガーデニング】古から愛され、神秘的な伝説もステキな「アルケミラ・モリス&アキレア」

3.1 アルケミラ・モリス

アルケミラ・モリス Alchemilla mollis/バラ科

アルケミラ・モリスの緑の花。

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  • 学名:Alchemilla mollis
  • 科名:バラ科
  • 草丈・樹高:30~60cm
  • 開花期:5~7月

小さな星がたくさん瞬いているかのようなアルケミア・モリス。聖母マリアがマントを広げたような葉の形をしていることから「レディースマントル」とも呼ばれます。

明るい黄緑色の葉や茎に、やわらかなイエローの花が煙るように咲く姿がとても爽やか。

柔らかな短い毛が生えている葉は露を弾くので、梅雨どきの雨上がりや早朝などに、明るい黄緑色の葉の上に残ったころんとした水玉が光を反射して輝くさまは、美しく神秘的です。

中世ヨーロッパでは、葉の雫には不思議な魔力があってそれを女性が飲むと不調を整えたという言い伝えがあるとか。若さを保つ効果があるとして、古くから女性たちに寄り添っていた花です。

※参考価格:200~500円前後(3号ポット苗)

3.2 アキレア

アキレア Achillea/キク科

キク科の多年草アキレアの花。色は白、赤、黄色。

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  • 学名:Achillea
  • 科名:キク科
  • 草丈:5~120cm程度
  • 開花期:5月中旬~8月中旬ごろ

古代ギリシア時代から薬草として重宝されていたアキレアは「ヤロウ」の名でハーブとしても親しまれています。薬効が高く、かの有名な英雄アキレスが兵士たちの傷口の止血に使ったというエピソードも。

のこぎりのような切れ込みのある葉が特徴的で、散房状に小さなかわいらしい花をたくさんつけます。

最近ではガーデン用の改良種が出回り、ホワイトのほかに、ピンク、赤、黄色、オレンジなどキレイな色のものも増えました。

荒れ地でも育つほど強健で、放置気味でも大丈夫ではありますが、水はけと風通しをよくしておくことは忘れずに。

※参考価格:300~800円前後(3号ポット苗)

4. まとめにかえて

とかく脇役になりがちに思えるお花でも、そのバックグラウンドを知ると何だか愛おしくなってきますよね。

お花が咲く姿を楽しむだけではなく、名前の由来や鑑賞以外の利用方法なども調べてみると、興味深いエピソードに出会うことも。

せっかくですから、育てる草花についてどんどん詳しくなっちゃいましょう。

LIMO編集部