2024年3月6日、厚生労働省が2023年12月分の生活保護の被保護者調査結果を公表。
生活保護申請件数が前年同月比5.6%増の1万8695件だったことが明らかになりました。また、12ヶ月連続で前年同月の水準を上回っています。
日用品などの物価高騰といった事由により、生活が苦しい世帯は依然増加中のようです。
苦しい世帯にとってはありがたいものかもしれませんが、地域差や生活保護を受けた際の義務、注意事項など見落とせない要件もあります。
今回は、生活保護の制度や受給金額の実態について確認していきましょう。
1. 【速報】2023年12月「生活保護」被保護者調査の結果
まずは、最新の政府統計から「生活保護」の被保護者の現況をチェックしていきます。
厚生労働省が公表した「生活保護の被保護者調査(令和5年12月分概数)」には、以下のような結果が取りまとめられています。
1.1 被保護実人員:前年同月比0.2%減少
生活保護の被保護実人員は202万3180人。これは、2022年同月に比べて0.2%減という結果でした。
ただし、同年前月と比較すると増加していることがわかります。
1.2 被保護世帯数:前年同月比0.4%増加
「生活保護」の被保護世帯は、保護停止中の世帯を含め165万3778世帯。前年同月に比べて0.4%増加している現状が見て取れます。
ちなみに、世帯類型別に保護を受けた世帯数(注1)をみると、高齢者世帯90万709世帯、母子世帯6万5461世帯、障害者・傷病者世帯の合計で41万2663世帯でした。
(注1)月中、1日(回)でも生活保護を受けた世帯(保護停止中の世帯を除く)
1.3 「生活保護」申請件数と保護開始世帯
2023年12月の生活保護の申請件数は全国で1万8695件。昨年12月と比べて988件、割合では5.6%増加した形であり、前年の同月を上回るのは12ヶ月連続となりました。
また、新たに生活保護の受給を始めたのは1万8067世帯。こちらも昨年8月と比較して2.9%増えていることがわかります。
全体的に増加傾向とわかる、生活保護の利用状況。
生活保護を申請したい方へ向けた、厚生労働省の特設サイトにも「生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」と書かれ、国民の権利であることが呼びかけられています。
そんな生活保護の内容と制度について、さらに詳しく見ていきましょう。