3. 【役職別】2022年の中間管理職の給与実態
正規雇用・非正規雇用間の賃金差をみていきました。次に、役職別に中間管理職の給与実態を確認していきましょう。
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、中間管理職の平均給与は部長級で「58万6200円」、課長級で「48万6900円」、係長級で「36万9000円」という結果でした。
資料によると、部長級・課長級の平均年齢は50歳前後。中間管理職に昇進したことで生活水準が豊かになっているのか、気になるところです。
総務省統計局「家計調査(家計収支編)」によると、45歳から54歳までの消費支出額は約33万円から約36万円。
この額面上の金額から諸々税金等が天引きされることを考えると、現代においては昇進しても収入と支出が同じ程度になる可能性もあるでしょう。
収入を貯蓄に回すためには、節約や収支バランスの調整が必要になるといえます。キャリアアップしたから余裕ができる、と言い切ることは難しそうです。
4. 昇進による年収アップとワークライフバランスとを調整しよう
正社員と非正規雇用者との給与差や、課長級や部長級の「中間管理職」の平均給与についてみていきました。
統計での数値上では、中間管理職に昇進しても大幅な年収アップは見込めないのが現状でした。とはいえ、正社員と非正規雇用者との給与差も大きく、思い切った転職や行動の前には事前準備が不可欠でしょう。
とくに将来のキャリアについて悩んでいる人や転職を考えている人は、キャリアチェンジの前にはきちんと自分の貯蓄や収支状況を把握しておく必要がありそうです。
参考資料
- 国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査結果」
- 日本労働組合総連合会(連合)「2023春季生活闘争まとめ」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年8月分結果(確報)」
- 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 ‐ 役職別」
- 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況 (6) 雇用形態別にみた賃金」
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)」
荒井 麻友子