2. 保育園と学童保育、子どもを預ける場合でどのような違いがあるのか
子どもを保育園に預ける場合と、子どもが小学校に通い始め、放課後、学童保育に預ける場合で、親への負担がどのように異なるのか比べてみましょう。
【子どもを保育園に預ける場合】
保育園に子どもを預ける時間は、市町村から保育必要量の認定を受けて決定されます。
認可保育園での保育標準時間は、両親がフルタイムで就労することを想定されているため、原則8時間が保育時間となります。
しかし、家庭や就労状況によって、最長11時間まで延長が可能です。
また、保育園は、日・祝日はお休みですが、夏休み、冬休みといった長期休暇はありません。
【小学生になり学童保育に預ける場合】
子どもが小学校に通い、放課後は学童保育に行くという場合、多くの場合18時30分が閉所となります。
こども家庭庁の「令和5年(2023年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」によれば、学童保育(正式名称:放課後児童健全育成事業)の約4割は18時30分までに閉所しています。
また、小学校は夏休みや冬休みなどの長期休暇がありますが、その場合、預けることができる学童保育は約6割という結果になっています。
2.1 保育園と学童保育の運営上の違いが、親にどのような影響をもたらすのか?
子どもが保育園に通っているときであれば、親は最長11時間の延長保育を利用して、朝8時に預けて夜19時にお迎えというペースで、育児と仕事のバランスを取ることができました。
しかし子どもが小学校に通うとなると、親は学童保育の閉所時間にあわせて、夕方18時30分までにお迎えに行く必要があります。
たった30分ぐらいと思っても、フルタイム社員であれば、仕事の兼ね合いがあり毎日30分早く退社するのは難しい場合があるかもしれません。
また、小学校の夏休みや冬休みなどの長期休暇に、学童保育が全日開いているとは限りません。
正月休みやお盆期間に閉所するところも多く、その間「子どもの面倒は誰が見るのか?」という問題も発生します。
その結果、子どもにあわせて勤務時間を調整したり、時短勤務に変更したりするなどの対応を余儀なくされ、キャリアの道が狭まってしまう。
このような状況により、フルタイム勤務の人と待遇差が出てしまうケースもあるのではないでしょうか。
また、小学校1年生の待機児童は全体の14.8%を占めています。
このように「小1の壁」には、共働きの家族・シングルの家族にとっての育児と仕事の両立を困難にするという大きな問題を抱えているといえます。