平均寿命が年々延びてきている現代では、「人生100年時代」と言われることが多くなりました。
これに伴い「老後生活の開始時期」も以前より遅くなってきています。
総務省の最新版「統計からみた我が国の高齢者」調査では、高齢者の就業率が65~69歳で50.8%、70~74歳で33.5%と、いずれも過去最高となっており、定年退職後も働くシニア世代が増えつつあります。
60歳代は現役として働き、70歳代を迎えて老後生活をスタートさせる人が多くなってきているようです。
物価高、賃金の膠着……さまざまな要因により、自分の資産に「絶対的な安心感」を持つのが難しい現代。
今回は70歳代・二人以上世帯の貯蓄額と、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額、また2024年度の年金額例をみていきます。
1. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満は何パーセント?
70歳代・二人以上世帯で「貯蓄100万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)
1.1 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満の割合
- 5.6%
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
貯蓄100万円未満は1割未満となりました。ただし、貯蓄ゼロ(非保有)世帯をあわせると、24.8%にものぼります。
また、高い値に引っ張られる「平均貯蓄額」と、より現実的とされる「中央値」の開きが見受けられます。
団塊の世代が含まれる70歳代は「戦後のベビーブーム世代」とも呼ばれます。バブル期を40歳代出迎えたことで、日本経済の成長を肌で感じた世代ともいえるでしょう。