過去にもらい忘れ年金が問題になっていましたが、その状況はまだ続いています。

自分自身の大切な年金のことなので、国に頼らずに自分で確認することが近道だと思います。

年金は50歳代から意識し始める方が多く、年金を受給できる時に確認する方もいますが、しっかりと確認する方は少ないので、もらい忘れ年金は今後も続くと思われます。

その中でも、ご自身で加入していたことを忘れていた、そもそも加入していることすら知らなかったというのが「厚生年金基金」です。

現役世代の方で気づいていない方もいますので、この機会に確認してみましょう。

私も年金相談を受けていますが、同年代の方でも、同じ期間勤めても極端に厚生年金額が少ない方は、厚生年金基金に加入していたという方が多いです。

同級生と比べて、特に給与が少なかったわけでもないのに年金額が少ない方は、注意してください。

1. 厚生年金基金とは?

厚生年金や国民年金は国が運用していますが、これの上乗せのひとつが厚生年金基金です。

国に代わって、企業や企業グループが厚生年金の一部を運用することで、国が運用するよりも良い運用を目指しています。

以前は多くの企業が厚生年金基金を運用していましたが、約30年もの間低金利金利の状況が続いているため、多くの企業が「代行返上」などを行いました。これにより、厚生年金基金に加入している企業は少なくなってきています。

しかし、過去に厚生年金基金に加入する企業に勤めていた方は、退職後に勤務していた企業や企業年金連合会で納付の記録を管理していることが確認できれば、払い込んだ月数に応じて、将来、年金を受け取ることが出来ます。

実情としては、働いていた本人も企業年金に加入していたことを知らない方も多く、請求し忘れている方が多いのです。

連合会年金の未請求者の状況について

連合会年金の未請求者の状況の一覧表

出所:企業年金連合会「連合会年金の未請求者の状況について」より、抜粋し筆者作成

  • 裁定請求書未提出者数:107万7000人
  • うち、請求書不達者:64万8000人
  • うち、請求保留者:42万9000人

住所や名前が変わり郵便物が届かない方も多いようです。

すでに加入者だった方が、請求せずに亡くなっていることもあるでしょう。

受給できる可能性もあるので、一度、企業年金連合会に問い合わせてみると良いでしょう。