2. 【老齢年金世代】65歳以上・リタイア夫婦「年金収入・4つのパターン」

ただし上記は「ひとり分」の年金月額です。実際老後に受け取る年金額は、世帯単位で考える必要があるでしょう。

そこで、夫婦ふたり世帯が、男女それぞれの平均月額を受け取れた場合の年金額を、以下の4パターンに分けてシミュレーションしてみます。

  • パターン1. 自営業を営む夫婦のケース
  • パターン2. 夫:会社員、妻:専業主婦の夫婦のケース
  • パターン3. 夫婦ともに会社員のケース
  • パターン4. 夫:自営業・妻:会社員のケース

2.1 パターン1. 自営業を営む夫婦の場合

夫婦ともに国民年金のみ

  • 【二人分の年金月額】11万3359円(夫:5万9013円、妻:5万4346円)

2.2 パターン2. 夫:会社員、妻:専業主婦の場合

夫:厚生年金(国民年金を含む)・妻:国民年金

  • 【二人分の年金月額】21万7726円(夫:16万3380円、妻:5万4346円)

2.3 パターン3. 夫婦ともに会社員の場合

夫婦ともに厚生年金(国民年金を含む)

  • 【二人分の年金月額】26万8066円(夫:16万3380円、妻:10万4686円)

2.4 パターン4. 夫:自営業・妻:会社員のケース

夫:国民年金・妻:厚生年金(国民年金を含む)

  • 【二人分の年金月額】16万3699円(夫:5万9013円、妻:10万4686円)

この場合、パターン3の「夫婦ともに会社員」だった場合、世帯のひと月の年金額は約27万円ですね。

次では、65歳以上世帯の平均的な「家計の収支」について見ていきます。

3. 【老齢年金世代】65歳以上・リタイア夫婦の「ひと月の生活費」

次は、65歳以上世帯の「ひと月の家計収支」を見ていきます。

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)-(Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支)」をもとに、リタイア世帯の生活費がどのくらいか確認してみましょう。

以下は、65歳以降「夫婦のみ世帯」のひと月の支出について見たデータです。

65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支

65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支グラフ

出所:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)-(Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支)」

3.1 65歳以上「夫婦のみの無職世帯」ひと月の支出

  • 消費支出:22万4436円
  • 非消費支出:3万664円

計:25万5100円

※消費支出:住居費や食費など生活を維持するために行う支出のこと
※非消費支出:税金や社会保険料など消費を目的としない支出のこと

先ほどのシミュレーションで、夫婦ともに会社員だった場合の年金受給額は26万8066円。このパターンであれば公的年金だけでなんとか生活できるラインとなる世帯もあるでしょう。

とはいえ家計調査の結果は、あくまでも平均です。また、ひと月の支出の中には、介護費用は含まれていない点や、住居費が持ち家世帯を前提として1万円台で計算されている点なども留意しておく必要があるでしょう。

歳を重ねることで健康面での不安は増えます。医療費が家計を圧迫する世帯もあるでしょう。また、要介護が上がり施設への入所を検討した場合、入居時点で数百万円単位の大型出費となるケースはごく一般的ですね。

ときに数千万円が必要ともいわれる「老後資金」。実際にいまどきのリタイア世帯はどの程度貯蓄を準備できているのでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。