2024年1月29日に公表されたJob総研による『2024年 老後資金の意識調査』によると、8割が”老後不安”を抱えていることがわかりました。

その理由は「年金の受給有無」「物価高騰による生活費の増加」「健康保険や医療費の増額」などが挙げられています。

さらに回答者のうち、「貯め始めている派」が52.0%で過半数を占め、「貯めていない派」は48.0%とのこと。

多くの方が不安を抱える昨今ですが、いざお金の話となると、身の回りの方々へは中々聞きにくい話題の一つでしょう。

そのため、周りの方々へ相談が出来ず困っている方も多いのではないでしょうか。2019年には「老後2000万円問題」が話題になりご自身の将来資金や老後資金について考えた方も多く、少子高齢化が進む今の日本では「公的年金」以外にも貯蓄は必要不可欠なものとなっています。

必要な貯蓄額はご自身のライフスタイルによって変わりますが、この記事では60歳・70歳代の二人以上世帯の貯蓄額に焦点を当ててお話をしていきます。

1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円以上は何パーセントか

まずは、60歳代・二人以上世帯で「貯蓄3000万円以上」の人はどれくらいいるのか見ていきます。

1.1 金融資産を保有していない世帯を含む貯蓄額

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情について、金融資産を保有していない世帯を含んだ数字を確認します。

【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合

  • 20.3%

【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:1819万円
  • 中央値:700万円

60歳代世帯のうち、貯蓄貯蓄3000万円以上の割合は約2割となりました。一方、貯蓄を保有しない世帯は20.8%にものぼります。

ほぼ同数ということから、貯蓄事情は二極化傾向にあることがわかります。

では貯蓄保有世帯に絞ると、どのように変わるのでしょうか。

1.2 貯蓄保有世帯のみの貯蓄額

同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。

60歳代・二人以上世帯の貯蓄円グラフ

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとにLIMO編集部作成

【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合

  • 25.6%

【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:2317万円
  • 中央値:1270万円

貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄3000万円以上は25.6%です。

平均は2000万円を超え、中央値は1000万円を超えました。