3. A夫さんはついに結婚を申し込む
そしてある日、A夫さんはB子さんに結婚を申し込みます。B子さんも、まんざらでもない様子です。
それまでは、ほのぼのと見守っていたスタッフも「結婚」という言葉に驚き、A夫さんの長男さんへ連絡しました。
長男さんは驚いて、すぐに駆けつけます。そしてA夫さんと、自室で緊急面談したのです。そこで長男さんは、A夫さんから衝撃の事実を聞きます。
なんとA夫さんは、「自分の財産をB子さんに遺す」と遺言を書いたというのでした。
4. 遺言書が祝福ムードを一変させてしまう
A夫さんは長男さんと面談しますが、口論になってしまいます。長男さんは、父親の再婚を認められなかったようです。「何が再婚だ!いい年をして!こっちが恥ずかしい」と長男さん。
その時の声は、部屋の外まで聞こえるくらいです。結局その場では話がつかず、長男さんは怒って面談を中止。スタッフに説明を求めました。
スタッフは、これまでの経緯を説明します。
すると長男さんは「これまでの経緯は分かりました。仲の良い人がいるとは、父からも聞いていましたが…。また出直します。老人ホームを退所させることも考えたい」と、そのまま自宅へ帰ってしまいました。
5. B子さんの一言で状況に変化が
B子さんは、A夫さんが長男さんと口論になるのを、少し離れてみていました。そしてA夫さんから、長男と口論になった理由を聞いて驚きます。
B子さんは、遺言書のことを全く知らなかったのです。そしてA夫さんに、こう言いました。「私は、あなたからお金が欲しくて一緒にいたいと思ったのではありません。それなら別れましょう。」
A夫さんは、その言葉を聞いて考えを改めます。長男さんへ電話し、遺言を撤回することを伝えたのです。
執筆者
介護支援専門員(ケアマネジャー)兼Webライター。保有資格は、介護福祉士、認知症ケア専門士、第一種衛生管理者。介護施設長の経験を活かして、利用者や家族、スタッフに寄り添う記事を作成するのが得意。 元塾講師であり、介護職員初任者研修の講師も務める。介護職向けブログ「介護資格とスキル研究所」を運営。「分かりやすく人に伝える」をモットーに活動中。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム
LIMO編集部記者
株式会社ナビゲータープラットフォームコンテンツ編成本部コンテンツディレクション室所属。1989年生まれ。群馬県出身。くらしとお金の経済メディア「LIMO」にて、世の中で話題になっている出来事のニュース解説記事の編集・執筆に従事した後、現在は厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金、貯蓄、資産運用、貯蓄、NISA、iDeCo、住宅ローン、FX、為替相場等の記事制作支援を担当。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)保有。
東京都世田谷区の訪問介護事業所「そらしーど三茶」訪問介護職員、地域情報サイト「Jタウンネット」編集記者、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」編集者、おすすめ情報サービス「mybest」編集者を経て、現職。これまでに地域情報の取材記事制作や異業種からの介護業界への転職を題材とした漫画企画の立ち上げ、金融・サービス・生活雑貨など多岐に渡るジャンルの記事の編集業務などに携わる。
早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系卒業。学部では戯曲・研究創作ゼミに所属し、主に英米の劇作家の作品を耽読。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース中途退学。準修士(ジャーナリズム)。大学院では精神医療の現場にてアートセラピーの実践者を取材し、ルポの執筆を行う。介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修修了。(2024年3月12日更新)