3. A夫さんはついに結婚を申し込む

ついにA夫さんはプロポーズ

日本人の高齢の男女が椅子に座って微笑んでいる

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そしてある日、A夫さんはB子さんに結婚を申し込みます。B子さんも、まんざらでもない様子です。

それまでは、ほのぼのと見守っていたスタッフも「結婚」という言葉に驚き、A夫さんの長男さんへ連絡しました。

長男さんは驚いて、すぐに駆けつけます。そしてA夫さんと、自室で緊急面談したのです。そこで長男さんは、A夫さんから衝撃の事実を聞きます。

なんとA夫さんは、「自分の財産をB子さんに遺す」と遺言を書いたというのでした。

4. 遺言書が祝福ムードを一変させてしまう

A夫さんは長男さんと面談しますが、口論になってしまいます。長男さんは、父親の再婚を認められなかったようです。「何が再婚だ!いい年をして!こっちが恥ずかしい」と長男さん。

その時の声は、部屋の外まで聞こえるくらいです。結局その場では話がつかず、長男さんは怒って面談を中止。スタッフに説明を求めました。

スタッフは、これまでの経緯を説明します。

すると長男さんは「これまでの経緯は分かりました。仲の良い人がいるとは、父からも聞いていましたが…。また出直します。老人ホームを退所させることも考えたい」と、そのまま自宅へ帰ってしまいました。

5. B子さんの一言で状況に変化が

B子さんは、A夫さんが長男さんと口論になるのを、少し離れてみていました。そしてA夫さんから、長男と口論になった理由を聞いて驚きます。

B子さんは、遺言書のことを全く知らなかったのです。そしてA夫さんに、こう言いました。「私は、あなたからお金が欲しくて一緒にいたいと思ったのではありません。それなら別れましょう。」

A夫さんは、その言葉を聞いて考えを改めます。長男さんへ電話し、遺言を撤回することを伝えたのです。