LIMOが2023年03月にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。
(初掲載*2023年03月9日)
総務省が2023年3月3日に公表した「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2023年(令和5年)2月分(中旬速報値)」によれば、総合指数(生鮮食品を除く)は前年同月比3.3%の上昇でした。
内訳を見ると「生鮮魚介」15.3%、「乳卵類」11.2%、「油脂・調味料」11.3%など食品をはじめとした上昇が目立ちます。
数々の物価高を経験し、改めて「いつ何が起こるかわからない」と感じた方も多いでしょう。
特にひとり世帯であれば、コロナ禍や物価高といった予想だにしない世界情勢による雇用や家計などへの影響に対しても、自分で対策を練らねばなりません。こういった場合でも、まとまった貯蓄があると少しは安心できるでしょう。
では、今のひとり世帯はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。年代別に確認した後、ひとりの老後に向けた対策も見ていきましょう。
20~30歳代「おひとりさま」の貯蓄はいくら?平均と中央値とは
今回は金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)各種分類別データ」を参考に、おひとりさまの貯蓄事情をみていきます。
まずは20~30歳代です。
20歳代ひとり世帯の貯蓄(平均・中央値)
- 平均:176万円
- 中央値:20万円
- 貯蓄ゼロ:42.1%
20歳代は約4割が貯蓄ゼロとなっており、より実態に近い中央値も20万円です。
30歳代ひとり世帯の貯蓄(平均・中央値)
- 平均:494万円
- 中央値:75万円
- 貯蓄ゼロ:32.4%
30歳代になると一部の富裕層の影響を受けやすい平均で500万円近く、一方の中央値は75万円と大きな差が出ました。
20歳代は働き始めたばかりで、年代も若くまだ収入が上がる前ということもあり、そこまで貯蓄差が大きくありませんでした。
しかし30歳代になると貯蓄ゼロが約3割な一方、貯蓄500万円以上が4人に1人となっており、「貯蓄をしている人としていない人」の差が見えはじめています。
40~50歳代「おひとりさま」の貯蓄はいくら?平均と中央値とは
では、40~50歳代の貯蓄も確認してみましょう。
40歳代ひとり世帯の貯蓄(平均・中央値)
- 平均:657万円
- 中央値:53万円
- 貯蓄ゼロ:35.8%
40歳代では平均と中央値に600万円以上の差が出ました。ただ貯蓄ゼロの割合は30歳代よりも多くなっています。
50歳代ひとり世帯の貯蓄(平均・中央値)
- 平均:1048万円
- 中央値:53万円
- 貯蓄ゼロ:39.6%
50歳代は平均が1000万円を超えた一方で、中央値は53万円と約1000万円もの差があります。貯蓄ゼロも30歳代より多い結果となりました。
この理由の一つとして、今の40~50歳代は大卒でも正規雇用に就くのが難しかった「就職氷河期世代」であることが考えられるでしょう。