3. 年金だけで生活できないおひとりさまはどうなるの?

既婚者であれば、自分の年金が少なくてもパートナーや子どもに頼るという選択もあります。しかし、おひとりさまの場合、経済的に頼れる人がいないということにもなりかねません。

こうした場合に、第一に考えられるのが「働き続ける」という選択です。日本は少子高齢化による労働者人口の減少により、高齢者に門戸を開いている求人も多くあります。

時代によって若者や高齢者に対する見方は異なるものの、現在においては若者よりも高齢者を求める企業も少なくありません。

例えば、コンビニや飲食店などでは学校優先でシフトを決める学生よりも、柔軟に対応してくれる高齢者が好まれることもあります。

ライフワークバランスや個人の権利ばかり主張する若者も近年では多く、働くことの厳しさや高度経済成長期の働き方を知っている高齢者の方が自社に貢献してくれると考える企業も珍しくないようです。

年齢を重ねると体力面など問題が出てきますが、働くことで健康を維持でき、脳を活性化できるなどメリットもあります。

また、職場とのつながりがあれば、人と会話する機会を日常的に得られたり、支援につながったりすることもあります。

働くことが難しく、貯蓄もなければ「生活保護」の受給になるでしょう。高齢であったり、健康状態に問題があったりする場合、頼れる人がいなければ生活保護の受給は認められやすいはずです。

4. まとめにかえて

多くの人たちの不安となっている「老後の生活費」ですが、現代における年金受給額の分布を見ても厳しい状況がうかがえます。

今後は日本経済の低迷に加えて、若者の経済的理由による結婚離れやフリーランスの人気などが関係し、老後のお金に関する問題はさらに深刻化すると予想できるでしょう。

年金だけで生活できない場合、一般的なアドバイスは就業の継続になります。多くの企業が人手不足のため、年齢だけが理由となって採用が決まらないというケースは少なくなってきています。

また、仕事ができない事情がある場合は「生活保護」を受給することになります。生活保護の申請を躊躇し、栄養が不足したり、健康状態が悪くなったりすれば状況はより悪化します。限界を感じる前に相談することをおすすめします。

参考資料

西田 梨紗