近年晩婚化も進むのと同様に、おひとりさま世帯も増加しています。給与なども一昔前と比べて男女平等になりつつあることもあり、男女共にひとりで自立した生活を送っているからかもしれません。
老後を前にして気になることが老後生活資金になります。しかし、いざお金のことになると中々身内でも相談しづらい方も多いでしょう。
今回は、2024年3月に公表された最新データをもとに、40歳代のおひとりさまがどのくらい所得から貯蓄へ回しているのか見ていきたいと思います。
さらに、貯蓄以外の老後資金準備の方法などもご紹介していきます。
1. 40歳代「おひとりさま」の平均貯蓄額はいくら?
まずは40歳代おひとりさま世帯の平均貯蓄額を見ていきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年度)」によると、40歳代 単身世帯の平均貯蓄額は下記の結果となりました。
- 平均値:559万円
- 中央値:47万円
「平均値」は極端に貯蓄額が多い人がいた場合、引き上げられる傾向にあります。一方、「中央値」は対象となるデータを順に並べ、中央にある値を指すため、実態を表しやすいと言われています。
40歳代おひとりさまの平均貯蓄額の実態は「47万円」と言えるでしょう。
ただし、中央値と平均値に大きな差が生じていることから、貯蓄ができている人とできていない人の格差が生じていることがわかります。
1.1 40歳代「おひとりさま」の貯蓄一覧
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」より、40歳代おひとりさま世帯の貯蓄ごとの割合も確認します。
- 金融資産非保有:40.4%
- 100万円未満:11.1%
- 100~200万円未満:5.2%
- 200~300万未満:4.0%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:7.7%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:2.2%
- 2000~3000万円未満:4.3%
- 3000万円以上:4.3%
貯蓄割合の中で最も多いのは100万円未満で「11.1%」を占めています。
次いで多いのは700~1000万円未満で「7.7%」を占めており、やはり貯蓄ができている人とできていない人の差があることがわかります。
一方、「貯蓄ゼロ」となる「金融資産非保有世帯」の割合は40.4%となっており、3人に1人以上は貯蓄ができていないこと見てとれます。
これから老後資金を貯めていく世代にとって、ゼロから始めることも覚悟する必要があるでしょう。
では、40歳代おひとりさま世帯は収入からどのくらい貯蓄に回しているのでしょうか。
次章で詳しく紹介していきます。
2. 40歳代「おひとりさま」の収入から貯蓄に回す平均割合はどれくらい?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、40歳代 単身世帯の「年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合」は下記の結果となりました。
- 5%未満:3.1%
- 5~10%未満:8.8%
- 10~15%未満:13.5%
- 15~20%未満:6.2%
- 20~25%未満:11.9%
- 25~30%未満:1.6%
- 30~35%未満:7.3%
- 35%以上:12.4%
- 貯蓄しなかった:35.2%
平均は14%、最も多かったのは「10~15%未満」でした。
多くの40歳代おひとりさま世帯が収入の1割程度を貯蓄に回していることがわかります。
一方で、貯蓄をしなかったと回答した人は全体の35.2%を占めており、収入から貯蓄に回す余裕がない世帯も一定数存在していると見てとれます。
これから貯蓄を始めるという場合は、まず「先取り貯蓄」の仕組みづくりが必要かもしれません。
先取り貯蓄とは、収入から貯蓄分を先に別の口座に分けておき、残りでやりくりするという貯蓄方法です。
「残し貯め」という不安定な方法から「毎月決まった額を貯蓄する」という仕組みを作ることで、安定的に目標金額を貯めることができます。
まずは、手取り収入から貯蓄に回す割合を決め、徐々に10%、15%と割合を増やしていくのもひとつでしょう。