3. 【給付金・定額減税】今回の政府による経済対策をおさらい
冒頭でお伝えしたように、政府は住民税非課税世帯や低所得世帯に7万円〜10万円の給付を開始すると発表。
メディアでは給付金について多く取り上げられていますが、今回の政府の経済対策には給付金以外に「定額減税」というものも存在します。
2024年の税制改正によって、給付金の対象外となる世帯においても1人あたり4万円の定額減税が行われる予定です。
給付金は2024年1月〜3月頃までに支給が開始される予定となっており、定額減税においては2024年6月を予定しています。
3.1 【現状の課題点】給付金と定額減税におけるポイントとは
経済対策の一環として、所得の低い世帯へ給付金を支給し、所得の高い世帯には定額減税を行うと表明した政府。
さらに、住民税非課税世帯や低所得世帯においては、18歳以下の子どもが1人あたり5万円を上乗せして追加給付するとしています。
一見、所得の有無に関係なく朗報のように聞こえますが、世間からは批判や疑問の声が寄せられています。
たとえば「給付金が支給されるか、定額減税になるか」のギリギリのラインの所得の場合は、わずか数万円の収入差で給付金を受け取れなくなり、子どもの有無によっては上乗せ額も支給されない形となります。
このことから、世間では「不公平ではないか」という声が多く挙がっているようです。
さらに、給付金額である10万円に対しても「10万円だけでは変わらないのでは」「根本的な解決につながるのか」という疑問を含んだ声もあり、国民の多くが納得する経済対策の難しさがうかがえます。
4. 物価上昇、給与や退職金への不安…計画的な「老後資金づくり」を
依然として上昇の傾向もみられる物価に対して、賃金がなかなか上がらないことが問題視される昨今。
現在、政府は経済対策として給付金の支給や定額減税を行うことを表明していますが、その対象者が絶妙な年収ラインや子どもの有無で分けられていることから「不平等ではないか」という声もあがっています。
国民全員が納得する経済対策は難しいとはいえ、今後どういった声明が出されるかは注目していきたいところです。
まずは、自分の生活のなかで変えられる点や改善できる点がないかを一度見直してみてもよいかもしれません。それでもなお、不安が解消されなければ一度お住まいの自治体に相談してみましょう。
参考資料
- 内閣府「2023年10-12月期 GDP速報(1次速報)」
- 財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 総務省「鈴木総務大臣閣議後記者会見の概要(令和5年10月27日)」
- 総務省「個人住民税の定額減税(案)に係るQ&A集(令和6年1月29日)」
- 東京都主税局「6 個人住民税の非課税」
足立 祐一