2024年に入って2か月、ついにGDPがドイツに抜かれ、アメリカ、中国、ドイツに次いで日本は「世界4位」となるとのニュースが入りました。

2月15日、内閣府が「2023年10-12月期 GDP速報(1次速報)」を発表。今期実質GDP(年率換算)は▲0.4%。2四半期連続のマイナス成長となりました。

そのなかで政府は経済対策の一環として、所得の低い「住民税非課税世帯」へ7万円の追加給付を行うことを表明しました。また、住民税の均等割のみ納める「低所得世帯」においても、一律10万円を給付することがわかっています。

住民税非課税世帯には、2023年度も3万円の給付がされているため、合計で10万円受け取れることになります。

さらに、住民税非課税世帯・低所得世帯ともに18歳以下の子どもがいた場合、1人あたり5万円を上乗せすることも発表しました。

大きな話題となっていますが、そもそも「住民税非課税世帯とは何か」「自分は対象になるのか」が曖昧な人も少なくないでしょう。

今回の記事では、住民税非課税世帯及び低所得世帯の概要について解説。今回の給付金の概要や、課題点について言及しているので、あわせて参考にしてください。

1. 7万円の追加給付金対象となる「住民税非課税世帯」とは?

住民税非課税世帯とは、その名の通り「住民税が非課税」となっている世帯を指します。

対象となる世帯は、世帯全員が前年中の所得合計が市区町村の条例で定める一定額以下になるケースです。

なお、住民税は所得に関係なく決められた額を負担する「均等割」と、所得に応じた金額を負担する「所得割」のふたつで構成されています。

住民税非課税世帯の場合、そのどちらも課税されない状態の世帯を指します。

1.1 【住民税非課税世帯】対象の目安となる要件3つ

「住民税非課税世帯」となる対象条件は自治体により異なるものの、目安として下記要件を満たした場合に該当します。

  1. 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
  2. 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
  3. 前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方

また「前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方」についても、各自治体により要件が異なります。

一例として、東京23区内の所得目安は下記のとおりです。

  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

所得要件についてより詳しく知りたい方は、お住まいの自治体ホームページや地域の担当課に確認してみましょう。

2. 10万円の給付金対象となる「低所得世帯」とは?

今回の政府による経済対策として、10万円の給付金が受け取れる「低所得世帯」についても確認しておきましょう。

住民税非課税世帯と異なり、一定以上の収入があるとき課される「住民税の均等割のみ」納税している世帯を指します。

先ほどもお伝えしたように、住民税は「均等割」と「所得割」のふたつで構成されており、低所得世帯の場合は「所得割」が非課税となっているのです。

低所得世帯に該当する所得目安は各自治体によって異なりますが、たとえば大阪府大阪市「所得割が課税されない方の要件」は下記のように明記されています。

【低所得世帯】所得割が課税されない方(所得割非課税限度額)

大阪市「個人市・府民税が課税されない方」の図表

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

計算がより複雑になるとされているため、低所得世帯の所得要件について詳しく知りたい方は、お住まいの自治体ホームページや地域の担当課に確認してみるとよいでしょう。