3. 厚生年金「男性ひとりで月16万円以上」受給する人の割合は何パーセントか
では、受給している人の平均受給額はいくらでしょうか。厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。
3.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
全体は14万3973円でしたが、男性の平均受給額は16万円台でした。
男性は月16万円台が平均といえるでしょう。
また、男性のみで月16万円以上貰っている人の割合をみると、56.9%でした。
4. 「国民年金(基礎年金)のみ」では月額平均でいくらか
先ほどの厚生年金は国民年金を含む平均月額でした。
では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。
4.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
4.2 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金のみでは5万6316円となりました。
厚生年金に比べると、国民年金のみで老後生活するのは難しいでしょう。
5. 老後の資金対策は「ねんきん定期便やねんきんネット」の確認から
今回は男性の厚生年金の受給額に焦点を当てましたが、公的年金だけでは不十分と感じる方もいるでしょう。
実際、公的年金だけでは足りず、貯蓄からの生活も必要な方がいます。
まずはねんきん定期便やねんきんネットを活用して、ご自身の受給予定額を確認しましょう。ねんきんネットでは、年金記録や将来の年金見込額、さまざまな通知書を確認できます。また、シミュレーション機能もありますので、現役時代から活用することが重要です。
さらに、公的年金を増やす方法も検討しましょう。国民年金のみの場合は付加保険料を支払うか、働き方を変えて厚生年金に加入することが考えられます。厚生年金の場合は年収を上げるか、繰下げ受給をするなどの方法があります。
公的年金に不安を感じる方は、預貯金に加えて資産運用も検討してみてください。資産運用は今や初心者でも手軽に始められる時代です。新NISAやiDeCo、NISAなど、国が用意した制度を活用して、自身に合った運用方法を見つけてみましょう。
参考資料
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数東京都区部 2024年(令和6年)1月分(中旬速報値)」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
齊藤 慧