2018年2月20日に行われた、株式会社すららネット2017年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社すららネット 代表取締役社長 湯野川孝彦 氏
株式会社すららネット 取締役 数藤剛 氏

教育に変革を、子どもたちに生きる力を

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湯野川孝彦氏(以下、湯野川):すららネット代表の湯野川です。本日はどうもありがとうございます。それでは早速、ご説明をしてまいりたいと思います。

(当社の)説明会に行かれた方もいらっしゃるかと思いますが、初めての方もいらっしゃいますので、(当社について)いくつか説明をしてまいりたいと思います。

これ(「教育に変革を、子どもたちに生きる力を」)は、我々の理念と言いますか、ミッションになるわけです。我々の(事業)環境あるいは経営環境の認識としましては、いろいろ今な格差問題が、いろいろな業界で取り沙汰されています。

その中でも「教育格差」、学力の格差が大きく取り上げられています。教育業界の大手さんについては、どちらかというと、中の上のほうの賢い・良い学校にフォーカスされていることが、比較的多いと考えております。

(一方で)我々はどちらかというと、学力の低い子どもたち、あるいは発達障がい・学習障がいなどの障がいを持った子どもたち。あるいは、それほど所得が高くない世帯の子どもたちに向けてフォーカスをしていく、最先端の技術を取り入れてやっていくということです。かなりブルーオーシャンであると思いますが、そういうことをやっている企業でございます。

それが、我々の理念であり戦略でもあるということです。ニーズは非常にあったのだけれども、誰も手をつけてなかった分野に対して、今は我々のみが(事業を)やっているような状況です。「なぜ我々のみなのか?」というのは、いろいろな理由がありますが、後ほどご説明いたします。

対話型ICT教材「すらら」

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こういう対話型ICT教材(「すらら」)と呼んでおりまして、アニメーション仕立てでインタラクティブ、そしてアダプティブ(なものとなっています)。生徒の学力が状況に応じて柔軟に変化するというのは、アダプティブというわけです。(双方向的に対応する)インタラクティブ、それから(個々に対応する)アダプティブにやっております。

「すらら」の特徴

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すららの特徴としては、大きく言って2つの商品力がございます。

1つは、今申し上げた、すららというeラーニングのアダプティブ・インタラクティブな商品力そのものでございます。

それと、とくに低学力(の子どもたち)に対応しようと思いますと、学校とか塾を通じて(システムを)提供しているわけでありますが、学校あるいは塾の先生方の仕事の仕方と言いますか、オペレーションの仕方を抜本的に変えてもらわないといけないということです。

今まで紙で(学習を)やっていたものを、そのまま「(教材を)デジタルにしましたよ。子どもたち、(これで勉強を)やっておきなさい」と言うと、非常に賢い子は別として、そうではない一般の子どもたち、あるいはそれ以下の学力の子どもたちは、そもそもなかなかやってくれないことがあります。

やっても続かないことがございますので、先生の仕事の仕方・オペレーションを変えなくてはいけないというのを、学校や塾に入り込んで意識啓蒙をするところから、先生方と一緒に学校・塾独自のオペレーションを組み立てるところまでをやっています。

非常にベタな活動ですが、「最先端技術と現場のベタな活動の両方をやっているからこそ、初めて、そのような学力の低い児童・生徒さんでも成績が上がるんだ」ということが、先ほど言いました、「ほか(の会社)にはなかなかできないこと」でございます。この2つの商品力が(当社には)ございます。

業界認識としましては、今この教育業界は、いろいろな事情で本当に過渡期にあると思っています。1つは、少子化です。

少子化ということは、児童・生徒が少なくなるということです。それから、先生も少なくなる、あるいは採用し辛くなるという状況になってきました。

これは、高度経済成長期のように、たくさんの児童・生徒を十把一絡げに、たくさんの先生を投入して(指導する)とか、児童・生徒にいろいろな格差があっても、段階別にクラスを細かく分解・分割してきめ細やかに(指導を)やろうなどというのは、今はどんどんできなくなっています。

塾や学校は、(児童・生徒に細やかな指導ができなくなることによって)そういう格差が大きくなる中で、個別対応をどうするのか。先生の負担を増やさずに、あるいは減らしながら、よりきめ細やかな個別対応を実現しなくてはいけないという、非常に難しい状況になっているので、デジタル(教材)を使わざるを得ないということです。

「使わざるを得ない」というのは、学校(や塾)の教育業界のみなさんが、「デジタルを積極的に使おう」と(お考えとは)限らなくて。やはり旧態依然……従来のやり方にこだわっている方ももちろんいらっしゃるわけですが、もう(デジタルを)使わざるを得ない状況になってきています。

そこで、我々は単なる教材提供ではなく、学校そのものを変え、塾そのものを変える。少ない先生で(児童・生徒に)個別対応をしなくてはいけないということに対して、ソリューションを持って、この2つの商品力で(事業を)やっているという、そのようなユニークなやり方をしている企業でございます。

理想の次世代型教育システム

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最初の商品力の、我々のeラーニングシステムそのものについてのご説明です。

このようなアニメーションなどの画面で、かなり有名な声優さんを使って学んでいきます。

ここにありますように、まず(理解を助ける)「レクチャー機能」という、教える部分です。これは、アニメーションを使ってインタラクティブに、キャラクターが質問をしてきてくれたり、質問に答えると褒めてくれたりします。このあとお時間があれば、少しそのあたりのVTRもご覧いただこうと思っていますので、ここではそれほど、詳しくはご説明いたしません。

そのあとに、反復練習をする(ことで理解を定着させる)「ドリル機能」があります。ここに書いてありますが、児童・生徒の実力によって難易度を変えています。例えば、学力の低い児童・生徒さんには簡単な問題を出して、心が折れないようにしています。

あるいは、過去のつまずきを診断する(機能があります)。例えば、高校生のつまずきが、小学校で学習する約分・通分ができないというところにあった場合に、それを探し出して、「そこに戻って学び直そう」というリコメンドが出ます。これは、一種のAIを使っています。

これらの技術を使って(個々の学力差に応じた学習を)実現しているというのが、「すらら」でございます。

学校・学習塾へのコンサルティング

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それと、これ(学校・学習塾へのコンサルティング)は、2つ目の商品力です。

学校については、学力向上や生徒募集について、学校のトップ陣あるいは現場の先生方ときちんと議論して、「すららをどのように使うか」「年間のスケジュールをどのようにしていくか」みたいなことを決めて、そのプロジェクト管理をしていきます。

そのようなことをやっておりますので、ちゃんとやれば、ほとんどの学校では成績が劇的に変わり、成績の分布が変わります。例えば、受験の模試で言うと(成績分布に)S・A・B・C・Dなどがあります。(すららを活用することで)だいたいSやAの上の方にどんと乗って、B・Cはあまり変わらずに、D以下の比率が劇的に減るということです。きちんとやれば、どのような学校でも、だいたいそのような結果が出るようにしています。

それから、学習塾です。

塾は、1つは独立開業型です。今まで塾をやっていた人がやるのではなくて、脱サラ等でこれから(別のことを)やろうという個人が、「やるんだったら塾だよね」ということで(開業する)。ただし、通常のフランチャイズの事業ではなくて、すららを使った新しいタイプということです。

いろいろなお客様がいらっしゃるわけですから、そういう場合も当然、すららの使い方だけではなくて、塾の経営の仕方・生徒募集の仕方というところまでを、きちんとお教えするというかたちでやっています。

それから最近、2017年の(業績の)数字がかなり大きく飛躍した原因の1つなのですが、ローカル中堅大手塾さんが、どんどんすららを採用するようになってきております。

2・3年前はほとんどが、いわゆる私塾……地方あるいは都心部の、塾長イコール教室長イコールオーナーのような、保有塾数が1校舎だけとか(多くても)2・3校舎だけというところが大半でした。

昨年~一昨年くらいから、地域の、(保有塾数が)数十校以上のかなりの大手塾さんが、すららを採用しているということです。

これは先ほど言ったように、(少子化の影響で)そのような大手塾も、過去のやり方にとらわれるのではなくて、新しいやり方をしないとやっていけない状況になりつつあり、そのような時期にちょうど差し掛かりまして、すららをどんどん採用していただくということです。

そのような場合は、塾のチェーン全体の課題……例えば、地方の大手塾だとしても、人口が薄い地域というのはだんだん(経営が)成り立たなくなってきていると。そのようなところに、「すららを使った、非常に損益分岐点の低い塾を、個別でやりませんか?」などのような戦略提案をしながら、塾のチェーンの経営者と一緒に進めていくというスタイルでやっていくのが、我々のユニークな商品力の2つ目です。

業績ハイライト①

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これらのことをやってまいりまして、業績ハイライトのご説明に移ります。

過去最高の売上・利益(を実現しました)。国内・海外とも事業拡大、売上・利益も順調に増加ということです。

業績ハイライト②

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導入校数は堅調に増加しておりまして、対前年比で6パーセント増加という状況になってきております。

(ただ、)これは(業績ハイライトの)他のページを見ればおわかりのとおり、他の数字からいうと、伸び率が低い状況となりました。これを少し説明しておくと、塾の数が、昨年にかなり伸び悩んだ時期がありました。これは、契約した塾の解約が、けっこう増えてしまっているということですね。

我々はフランチャイズではないので、やはり比較的解約しやすいスキームになっています。フランチャイズとは違って、独立開業型で(展開)しております。だからこそ、他のフランチャイズにはないというところを買っていただいているわけです。

それが、例えば開校して1年間くらいで、なかなか生徒が集まらなくなると、他のブランドに移ってしまうというよりは、閉校してしまうのです。商売をたたんでしまうというようなことが、けっこう発生しました。それで、このあたり(導入校数)は伸び悩んだということです。

それ(の要因)を分析いたしますと、初期販促が圧倒的に少ない場合に、そういうことが非常に起こります。最近は、チラシの反応率が非常に少なくなってきています。少なくとも10万枚以上はまかないと、なかなか反応が出ないところに、2~3万枚を1・2回まいただけで、保護者の方からの反応・お問い合わせがほとんどない。

それで意気消沈してしまって、販促をしないようになると、負のスパイラルになって、1年後は「やっぱり、やめようかな」というふうになってしまうということです。

(それを解決するために)最初に、初期販促の重要性・やり方(の指導)を、かなり徹底することによって、(導入校数は)今はだいぶ持ち直してきました。たぶん来年度は、もっと高い導入校数になるだろうという予定です。

業績ハイライト③

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すららID数は、大幅増加ということです。先ほどの導入校数の伸びからすると、1校舎あたりのID数が、非常に伸びたということになるわけですね。

それ(の要因)は、1つは先ほどお話ししたローカル中堅大手塾さんが、今までなかったところですが、どんどん契約を取れるようになってきました。これは当然、1塾あたり・1校舎あたりの生徒数が多いので、それで非常に伸びているということです。

また、学校も、従来は生徒数が多い学校であっても、(すららで学習したいと)手を挙げた人だけとか、あるいは(あまり勉強が)できない子どもだけ、放課後の補習に(使う)というふうになりますと、生徒数が多い学校でも、(ID数は)数十名単位からということになります。

これが最近は、「そもそも必要な個別対応を(最初から)やっていこう」ということで、学年全体・学校全体で最初から(すららを)使うというところが増えてきました。そのような意味で、学校の1校舎あたりの生徒数(ID数)がどんどん伸びています。その(塾・学校の)ダブルの効果で、この成長を実現しているというところでございます。

業績ハイライト④

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この影響で、売上前年比も改善されて、(前年比で)24パーセント(増加)という状況となっております。

業績ハイライト⑥

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(営業純利益の資料を飛ばして)こちらの当期純利益も(前年比で)45パーセント増加ということで、(過去最高益と)見ております。

今後の展望①

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今後の展望でございます。引き続き、売上は順調に増加ということで、今期はだいたい9.0億円程度を見込んでおります。(前年比で)24パーセント(の増加)ですね。だいたい20パーセント程度の成長を、我々のペースとしては考えていますので、だいたいそういう範囲となっています。

今後の展望②

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それから、それに引き続いて、当期純利益は32パーセントの増加を見込んでいるところでございます。

2018年の戦略①

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それをどうやってやっていくかということですが、基本的にはこれまでやってきたこと、あるいはちょうど昨年に芽吹いてきたものをさらに推進するというのが、ベースとなるわけです。

(例えば)脱サラの人が独立開業をして塾をやろうという時に、選択肢としては、やはり個別指導塾になります。

我々はフランチャイズではないので、加入金等はとっておりませんので、初期投資ははるかに少なくて済みます。ランニングコストも(少なく、)アルバイト講師も雇わずに済みますので、損益分岐点も非常に低いということになります。「冷静に考えると、それは独立開業(の強み)だよね」という建て付けにしておりますので、これは引き続き伸ばしていくということです。

それから、中小企業の新規事業ニーズの取り込みというのがあります。これは、昨年から少し変わってきた点です。個人ではなくて、地方の中小企業が新規事業として取り組もうというのが、最近いろいろと増えてきている傾向がございます。

例えば、学校の近くにある文房具屋さんとかです。最近はコンビニがありますので、そちらでみんな文房具を買うので、(お客さんを)取られちゃっていると。じゃあ、どうしよう? (店が)学校の近くにあると、子どもがぞろぞろ前を通ると。場所は空いていると。「じゃあ、塾をやろうか」とか。

(例えば)地方のフィットネスクラブにプールがあると、子どもたちがスイミングスクールで来る。(ただ、)だいたいそういう子どもたちは、高学年になると辞めていく。なぜ辞めていくか? 塾に行くためです。「じゃあ、自分のところでも塾をやろうか。場所はあるじゃないか」ということも、これは東北(の例)ですけれども、ありました。

地方の中小企業や大手企業、がいろいろなかたちで教育に参入しようという動きがありまして、個人の独立開業を応援するというところから、個人の独立開業プラス企業の変革を応援する要素も加わってきたことで、(事業を)伸ばしていこうと思っております。

それから、ローカルの中堅大手塾については先ほどお話ししたとおり、そういう時代(少子化の影響で、新しい業態が求められる時代)になってきていますので、引き続きやっているということです。

地域ごとの大手塾さんは、みなさんけっこう経営者同士がお知り合いで、地域でバッティングせずに、高度経済成長期からお互いにがんばってきたような方々です。そのような意味では、口コミで広がりつつあります。

先日も「野田塾」という愛知県の大手チェーン……愛知県と静岡県ご出身の方は知っているかもしれませんが、そこがすららを採用ということで、プレスリリースを出しました。それ以外にも、今はいくつか中堅ローカルの塾さん(の導入)が決まりつつありますので、引き続きこれは伸びていくということです。

それと「放課後等デイサービス」という発達障がい・学習障がい(の児童・生徒)向けの施設が全国に1万ヶ所くらいあるのですが、ここへのゼロからの導入が進みました。昨年(2017年)の秋口ぐらいから始めて、年末には14、5校となりました。(2018年)3月では20校を超える見込みですので、これも順調に今伸びているところでございます。

2018年の戦略②

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学校については、これも先ほどお話ししたような(少子化の)状況がありますので、やはり個別的な対応をしなくてはいけないということで、進んでおります。

学校も「とりあえずデジタル化に追い付かなくちゃいけない。じゃあ、全員にiPadを配ります」みたいな時代が、2、3年前はあったのですが、最近は少なくなってきています。「(デジタル教材を)入れる以上は、学力向上の結果を出さなくてはいけない」と、だいぶ変わってきております。そうなると我々の強みが出てきますので、これも順調に、営業改革が進んでいるところです。

従来は、学力でいうと中間、スポーツ強豪校であるとか、甲子園に出るような学校さんが多かったのですが、最近ではけっこう上のクラス・有名進学校でも採用されるようになってきておりまして、こちらにも期待しております。

2018年の戦略③

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売上に対する比率は少ないのですが、BtoCと海外について、ご説明します。

BtoCについても、昨年はブレイクしております。BtoCというのは直接エンドユーザーがWebサイトから申し込んで、クレジットカード決済をするというものです。基本的にはBtoBtoCなので、(こちらは)唯一のBtoC部門なわけですが、これも今非常に伸びているということです。

というのも、昨年リリースした発達障がい・学習障がい対応というのが、口コミで広まりつつあり、非常に伸びています。ナイーブな保護者の方からお問い合わせ・お申し込みが、毎日かなり伸びてきている状況になっております。

海外については、スリランカとインドネシア(で展開しており)両方ともJICA(ジャイカ)のプロジェクトです。スリランカは一昨年(2016年)、インドネシアは昨年(2017年)末にJICAのプロジェクトがありました。

プロジェクト中はお金を頂けないのですが、今年(2018年)からインドネシアで、千数百名の生徒がいる中で課金対象になりましたので、いよいよ我々の事業として、本格的に開始しております。

あと近々には、インドで導入校が正式に決まっていきそうな感じなので、こちらも期待しているところでございます。

2018年の戦略④

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資本提携等についてご説明します。まず、凸版印刷さんとは(対話型の)理科教材の製作をしています。我々は英国数(の事業展開)で理社がないので、そのようなものを外部と提携しています。凸版印刷さんは、東京書籍さんという日本で最大の教科書会社さんをもちますが、そのようなところと今、プロジェクトを進めているということです。

ドコモさんとは、AIのチャットボットを使って生徒のモチベーションを作るような、新しい試み(「AIサポーター」)を、昨年から始めています。

業務提携先では、CHIeru(チエル)さんやNTT西日本さんは、我々があまりタッチしていない公立学校分野です。我々のターゲットはほぼ私立学校になっておりますので、公立については、営業方法がまったく違います。

そのようなルート・チャネル・営業部隊を持っていらっしゃるところと提携して、OEM供給のようなかたちで、公立学校には浸透させていこうという、昨年どおりの戦略でございます。

あとは、資料をご覧いただけたらと思います。説明としては、以上でございます。

質疑応答:競合はどのようなところなのか?

質問者1:ご説明ありがとうございます、グローバルインベストメントのコムラです。

初めて参加させていただくので、基本的なことからお伺いしたいんですけれども。教育現場で使われてきている、この(「すらら」の)ような教材系のシステムは、御社以外だと、どのような会社があるのでしょうか?

価格帯はぜんぜん違うのかもしれませんけれども、どのような会社があって、どれくらいのシェアを持ち、どれくらい使われているのでしょうか? それに対して、御社はどのようなシェアを持っているのでしょうか? また、教材の中身が違うのであれば、どの程度違うのかについて、教えてください。

湯野川:競合でいきますと、塾と学校業界では(競合の種類が)違ってきますね。

学校業界の方は、わかりやすいので申し上げますと、割と競合は大手さんになります。

シェアはやはり大手企業さんですから、我々よりはるかに大きいとは思いますね。

価格的には、我々が若干高いくらいかなと思っています。

だから、(大手と比べて当社は)「シェアが低くて(価格が)高い」というと、(競合の中では)難しそうな感じがしますけれども、先ほどお話ししたように、学校が「とりあえず、何か(デジタル教材を)入れればいいな」と思った場合は、そのような方(大手企業)に流れるケースがあります。

ただ、「実際に学力を上げたい」「学力のばらつきをなくしたい」「学力の低い子たちを底上げしたい」という場合は、ほぼ(他社に)負けることはないということです。非常にターゲットを絞り込んだかたちの特徴を持つ路線で、今は(事業を)やっているということです。

ちなみに、私立学校が2,000数百校くらいある中の、(当社のシェアは)今130校くらいですので、まだまだ市場は……という感じですね。

塾については(全体で)4~5万塾あるのですが、その中の600塾くらいが、我々のシェアになります。

塾の場合は、あまり大手さんらしきものがなくて、どちらかというと非公開の、我々より規模の小さい、比較的旧態然としたところです。問題を解くだけ、あるいは塾チェーンがそこのカリスマ先生を使って、その先生の動画を流すというスタイルがいまだに主流で、我々のスタイルとはまったく違うということです。(塾は)まったく学校とは違った戦場になります。

価格帯はさまざまです。ただし、たぶん我々が(事業を)始めた時は(価格差が)ないのですが、今は他と比べて、我々の方がそれほど安いということはないと……同等かちょっと高いくらいという特徴があるという感じですね。

先ほどお話ししたような、発達障がい・学習障がいの(子どもたちの)分野については、まったく競合がいないという状況になっております。よろしいでしょうか?

質問者1:ありがとうございます。

質疑応答:海外展開における強みは?

質問者2:よろしくお願いします。海外に関してお伺いしたいのですけれども、海外に出た時の御社の強みは、どういうものになるのでしょうか?

それから競合は、それぞれの国でどういうところがありますか? 日本と海外では、学習塾などの事情は違うと思いますので、その状況を教えていただければと思います。

湯野川:海外は、進出してみてわかったのですけれども……というと行き当たりばったりに聞こえますが、まず結論から言うと、競合はほとんどいない状況になっています。

海外では、もちろんeラーニングが広まりつつあります。国にもよりますが、スリランカは非常に遅れていて、(一方で)インドネシアや、とくにインドはけっこう進んでいます。主に高等教育分野、つまり高校生以上をターゲットにしているケースが多いですね。

(これに対して)我々は、海外では「Surala Ninja!」という、小学校の低学年から算数を教えるというものを持っております。だから、デジタルとアナログの違いと言いますか、公文式さんがやっていることと、非常に似ているかなと思います。計算を教えるということです。

まだ数を数えたことのない子どもに、数を数えるところから教えるというものを、体系的にやっております。このセグメントは、ほとんど競合がないという状況になっています。

もちろん、(eラーニングが広まっている)インドネシアやインドとなると、(子どもも)みんなスマホを持っています。中学生とかですね。小学生には、あまりいないかな? スマホを持っている人が多くて、スマホアプリの学習ソフトは、山のようにあるわけですけれども。

それは、ある程度学校で(勉強を)やっていることを前提に、(例えば)「引き算だけをゲームチックにやってみよう」というようなものは、山のようにあります。

(ただ、)きちんと学校や塾で、本当に段階的・体系的に教えて、最終的に(勉強が)できるようになるというようなものは、今のところ(海外には)ない状況です。欧米系は本当に高等教育分野のみで、しかも(言語は)英語のみになっています。

我々の場合は、小学生1年生、あるいは就学前から現地語で(展開しています)。スリランカはシンハラ語、インドネシアはインドネシア語、インドは英語ですが、現地語で(学習する)というコンセプトです。

(当社以外、海外では)こういうコンセプトがありませんので、そういう意味ではまだ競合がない段階で、どんどんスケールしていきたいなと思っております。

質問者2:もう1点お伺いしたいんですけれども、去年(2017年)の12月に上場されましたが、どうしてこの時期になったのでしょうか?

湯野川:「この時期になった」「この時期になってしまった」……どっちでしょう?

数藤剛氏:(私からお答えいたします、)よろしくお願いします。

上場に関しては、もともと創業期からずっと(上場を)やりたいと思った時に、ちゃんと機会を作りたいと思っていました。ずっと上場できるような体制は、一定以上整えていました。

あとは、「状況を見ながら(上場しよう)」と思っていたのは、その時の市況や、当社の業績(を見ていたということ)です。

当社の課題の1つは、まだまだ認知度が低いというところです。一定程度、自分たちの営業力で、しっかり塾や学校のお客様を広げられる状況にした時に、IPOをして、それをさらに飛躍的に高められるタイミングを図っていたというところが、当社としてはありました。

ちょうど、ローカル中堅・大手や学校のお客様の導入校も広がって、これからの営業見込み先の方々の数も非常に広がっていくという中で、ちょうどいいタイミングでIPOできたのかなと、私どもとしては思っているところです。

質問者2:ありがとうございます。

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