4. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満は何パーセントか
続いて同じ金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
4.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 5.6%
4.2 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合(金融資産非保有を含む)
- 24.8%
4.3 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
金融資産非保有世帯を含めると、貯蓄100万円未満は24.8%でした。
5. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくらか
次に、同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
5.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 7.0%
5.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2188万円
- 中央値:1100万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄100万円未満は7.0%です。
平均は2000万円を超え、中央値は1000万円を超えました。
平均貯蓄額では「70歳代の金融資産非保有世帯を含む」世帯以外で2000万円を超える結果となりました。
しかし、貯蓄100万円未満という世帯も一定数いることから、生活が苦しい世帯もいることがうかがえます。
6. 老後に向けて何ができるか考える
60~70歳代・二人以上世帯の「貯蓄100万円未満の割合」と平均・中央値を確認してきました。
高齢者世帯のうち「生活が苦しい」と回答した人は48.3%で、全世帯よりも少ない結果になっています。
しかし、当然世帯によって個人差があるでしょう。年金だけで十分という世帯もあれば、70歳を過ぎても労働収入で生活費を補填する世帯もあります。
どんな老後を迎えたいのかを考えたうえで、適切な備えをしていく必要があります。
老後資金の準備というと、どうしても貯金が思い浮かぶものですが、それだけではありません。
- 年金額を増やす
- 資産運用で老後資金の目減りを緩やかにする
- 資格を取得して老後も働く
- 健康維持
なども老後対策となるでしょう。
必要なこと、足りていないことを洗い出して、今からできる準備を始めてみてはいかがでしょうか。
まずはねんきん定期便などで年金の見込額を把握してみるのもひとつです。
6.1 【ご参考】貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
60歳代・二人以上世帯
- 非保有:21.0%
- 100万円未満:5.9%
- 100万円~200万円未満:4.5%
- 200万円~300万円未満:4.3%
- 300万円~400万円未満:3.0%
- 400万円~500万円未満:1.9%
- 500万円~700万円未満:7.2%
- 700万円~1000万円未満:6.7%
- 1000万円~1500万円未満:6.8%
- 1500万円~2000万円未満:5.4%
- 2000万円~3000万円未満:9.5%
- 3000万円以上:20.5%
70歳代・二人以上世帯
- 非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100万円~200万円未満:5.1%
- 200万円~300万円未満:4.3%
- 300万円~400万円未満:4.7%
- 400万円~500万円未満:2.5%
- 500万円~700万円未満:6.2%
- 700万円~1000万円未満:5.8%
- 1000万円~1500万円未満:10.2%
- 1500万円~2000万円未満:6.6%
- 2000万円~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
参考資料
太田 彩子