厚生労働省の資料によると、高齢者世帯のうち「生活が苦しい」と回答した人は48.3%でした。
では60歳代・70歳代世帯で「貯蓄100万円未満」という世帯はどれほどいるのでしょうか。
2024年3月に公表された最新データからみていきます。
1. 高齢者世帯「生活が苦しい」と回答した割合
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、生活意識として「苦しい」と回答した人は全世帯で51.3%、高齢者世帯で48.3%でした。
- 大変苦しい:18.1%
- やや苦しい:30.2%
- 普通:45.1%
- ややゆとりがある:5.8%
- 大変ゆとりがある:0.8%
最も多い回答は「普通」で、他の世帯よりも多いです。
現役世代に比べると収入源が限られる傾向にあるシニアですが、「苦しい」と感じている世帯は全体よりも少なくなるようです。
児童のいる世帯では54.7%が苦しいと回答しているため、子育て費用から解放されることが一因のようです。
とはいえ、公的年金だけになるとそれまでの収入よりは少なくなります。貯蓄が十分にないと、生活が苦しいと感じる世帯も多くなると予想されます。
シニアの貯蓄事情として、60歳代・70歳代の二人以上世帯のデータから「貯蓄100万円未満」の割合を見ていきましょう。
2. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満は何パーセントか
まずは、60歳代・二人以上世帯で「貯蓄100万円未満」の人はどれくらいいるのか見ていきます。
2024年3月に金融広報中央委員会より公表された「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
2.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 5.9%
2.2 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合(金融資産非保有を含む)
- 26.9%
2.3 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2026万円
- 中央値:700万円
金融資産非保有を含めると、貯蓄100万円未満の世帯は26.9%となりました。
700万円に満たない世帯で約半数を占めています。
3. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくらか
先ほどは金融資産非保有世帯も含む数字でした。では、貯蓄保有世帯のみに限定するとどうなるのでしょうか。
3.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 7.4%
3.2 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2588万円
- 中央値:1200万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、平均は2000万円を超え、中央値は1000万円を超えました。
ただし貯蓄100万円未満は7.4%います。
続いて70歳代以上世帯の貯蓄100万円未満の割合も確認していきましょう。