2024年1月からNISAが始まり、これまで投資とは無縁だった方もチャレンジする方が増えました。
目的はさまざまですが、長期運用の利点を活かして「老後資金のため」に利用する方も多いでしょう。
老後に対して漠然とした不安を抱え、こうした運用や貯蓄を始めるものですが、一方で「老齢年金はみんないくらもらっているのか」を知らない方も少なくありません。
次回の年金支給日は2月15日。2024年になって初めての支給日を心待ちにするシニアも多いですが、その平均受給額はいくらなのでしょうか。
今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60歳~90歳以上の年金額を1歳刻みで確認します。
1. 公的年金には国民年金と厚生年金がある
受給額を見る前に、まずは日本の公的年金の仕組みを確認する必要があります。
図のように2階建て構造となっており、1階部分には国民年金(基礎年金)が位置します。
1.1 国民年金とは
国民年金には原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が加入し、一律の保険料を納めます。2023年度の保険料は1万6520円(月額)で、40年間欠かさず納めれば満額の老齢基礎年金が受給できます。
また、第1号被保険者は月額400円の付加保険料を納めることで、増額できる制度もあります。
1.2 厚生年金とは
2階部分の厚生年金には、公務員や会社員などが上乗せして加入します。保険料は収入に応じた等級で決まり、加入期間や納付額に応じて将来の老齢厚生年金額が決まる仕組みです。
このように、現役時代の働き方によって加入していた年金により、将来受給する年金が異なります。
次章からは、厚生年金と国民年金にわけて平均受給額を確認していきましょう。
2. 【年齢別の年金早見表】60歳~90歳以上「厚生年金」の平均年金月額はいくら?
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均年金月額を1歳刻みで確認しましょう。
なお、以下の厚生年金にはすべて国民年金部分が含まれています。
2.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
2.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
2.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:15万1109円
- 81歳:15万3337円
- 82歳:15万5885円
- 83歳:15万7324円
- 84歳:15万8939円
- 85歳:15万9289円
- 86歳:15万9900円
- 87歳:16万732円
- 88歳:16万535円
- 89歳:15万9453円
2.4 厚生年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:15万8753円
一般的な年金受給開始年齢である65歳以降をみると、年齢があがるにつれ平均月額が上がっており、平均で月額14~16万円台でした。
65歳未満の金額が少ない理由として、厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっている点が挙げられています。