3. 保険料はどれくらい引き上げられるのか

後期高齢者の保険料負担が増額となる収入の目安を確認しましたが、具体的にいくら保険料が引き上げられるのでしょうか。

厚生労働省 保険局「医療保険制度改革について」によると、収入別にみた後期高齢者保険料は以下のとおりです。

3.1 【収入別】後期高齢者保険料

【年収80万円】

  • 改正前保険料(2024/5年度):月額1260円
  • 改正後保険料(2024年度):月額1260円
  • 改正後保険料(2025年度):月額1260円

【年収200万円】

  • 改正前保険料(2024/5年度):月額7230円
  • 改正後保険料(2024年度):月額7230円
  • 改正後保険料(2025年度):月額7560円

【年収400万円】

  • 改正前保険料(2024/5年度):月額1万8110円
  • 改正後保険料(2024年度):月額1万9270円
  • 改正後保険料(2025年度):月額1万9270円

【年収1100万円】

  • 改正前保険料(2024/5年度):月額5万5830円
  • 改正後保険料(2024年度):月額6万830円
  • 改正後保険料(2025年度):月額6万6670円

年金収入80万円であれば、本改正による保険料増額はないため特に保険料の変更はありません。年金収入200万円の人は、2025年度より改定の影響を受けて保険料が増額となります。

また、年金収入400万円の人は2024年度より保険料が増額となります。改正前と比べて月額1160円の増額です。年間にすると1万3920円にもなるため、決して無視できない金額です。

4. 老後対策を始めよう

高齢者の保険料負担増額について解説しました。

今回は現役世代の負担増加を抑制するために、比較的余裕のある高齢者世帯の負担を増加させる改定となります。

今後も同様に高齢者の負担が増える制度改定がおこなわれるかもしれません。そのため、制度改定も頭に入れながら老後対策をできるだけ早くおこないましょう。

老後対策としては、節約や新NISA・iDeCoによる資産形成、年金の繰下げ受給などが考えられます。各世帯の働き方や家計状況によって必要な老後対策はそれぞれです。

まずは、このままいくと自分の世帯がどのような老後を過ごすことになるのかシミュレーションしてみてください。もらえる年金や毎月の生活費、老後を迎える時点での貯蓄額などが明確になれば、自ずと必要な老後対策も見えてくるでしょう。

参考資料

苛原 寛