住民税は均等割と所得割があり、普段あまり意識しませんが、この二つの合計額を支払っています。
しかし、それぞれ一定の基準を満たすと税金がかからなくなります。
住民税非課税世帯への7万円給付が、各自治体において2024年1月から徐々に実施されており、その対象者が気になる方も多いでしょう。
基準はいずれも前年の所得をもとにしているため、金融資産が多くても非課税になる可能性はあります。
退職金1700万円、年金月額14万円というケースでも該当するのか確認しましょう。
1. 住民税の「均等割」「所得割」の基準
住民税の水準は自治体によって異なりますが、基本的なルールはつぎのとおりです。
- 均等割:非課税世帯以外が一律で徴収される
- 所得割:所得水準に応じて徴収される
均等割が概ね4000円〜5000円程度、所得割が前年の課税所得の10%というのがおおまかな目安です。
ただし、自治体によって厳密な水準は異なります。
たとえば、東京都中央区の場合は次の通りです。
- 均等割:特別区民税均等割3500円+都民税均等割は1500円(計5000円)
- 所得割:特別区民税:6%+都民税:4%(計10%)
2. 【住民税非課税世帯とは】住民税は前年の所得次第で非課税に
住民税は、自治体にて定められた条件を下回ると課税されなくなります。
条件は均等割と所得割それぞれで別に設定されています。具体的な条件は自治体によって異なる場合もあります。
ただし、均等割が非課税になる基準の方が厳しい(=非課税となる所得水準が低い)のが一般的です。
たとえば、中央区の場合は次のとおりとなります。
均等割のみ課税される方
- 前年中の総所得金額等が、次の金額以下の方
(1)扶養親族等のいない方:35万円+10万円
(2)扶養親族等のいる方:35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+10万円+32万円 - 所得控除、税額控除により所得割額が算出されない方
均等割と所得割のどちらも課税されない方
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
- 1月1日現在、障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下の方
- 前年中の合計所得金額が、次の金額以下の方
(1)扶養親族等のいない方:35万円+10万円
(2)扶養親族等のいる方:35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+10万円+21万円
3. 貯蓄や金融資産の規模は住民税の基準に影響しない
貯蓄や金融資産が多くても、それだけで住民税の課税・非課税が変わることはありません。
住民税の課税・非課税や水準を決めるのはあくまで前年の所得水準です。
貯蓄・金融資産の規模は前年の所得に計上されないため、たとえいくら資産が多くても、所得が基準を下回っていれば課税されません。
なお、貯蓄や金融資産を通じて金利収入や配当、売買益がでた場合、これらは所得として計算されます。
たとえば金融資産を株や投資信託など有価証券で持っている場合は、年金による収入などが少なくても、投資収益によって所得が上振れて課税される可能性があります。