2024年1月19日、厚生労働省より2024年度の年金額引き上げが発表されました。

前年度比2.7%の増額となりますが、物価上昇率には追いついていないため、実質的には目減りとなると捉えられているようです。

それでは、リタイヤ世帯が増える「60歳代」のリアルなお金事情はどうなっているのでしょうか。

実は、60歳代であっても「貯蓄ゼロ」または「100万円台」という世帯はめずらしくありません。

「同世代がどれだけ貯蓄を保有し、手取り収入からどれくらい貯蓄しているのか」が気になるシニアもいるでしょう。

今回は60歳代・二人以上世帯の貯蓄額と、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額、また2024年度の年金額例をみていきます。

1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円台は何パーセント?

60歳代・二人以上世帯で「貯蓄100万円台」はどれくらいいるのでしょうか。

2024年3月に公開されたばかりの金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。

1.1 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円~200万円未満の割合

  • 4.5%

1.2 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄200万円以下の割合

  • 31.4%

1.3 【60歳代・二人以上世帯】平均貯蓄額と中央値

  • 平均:2026万円
  • 中央値:700万円

貯蓄100万円~200万円未満は、1割未満でしたが、貯蓄200万円以下でみると約3割となりました。

平均貯蓄額と中央値も大きく開いており、世代間での格差が広がっている傾向があるといえるでしょう。