事故物件と聞いてイメージするのが「事件」などが起きた物件ではないでしょうか。
国土交通省のガイドラインによると、事件や事故等で人が亡くなった場合は、宅建業者による「告知」が必要であると定められています。
事故物件は、家賃を下げたとしても新たな入居者を確保しにくいのが現実です。
しかし「事故物件は家賃が安いからお得」「事故物件かどうかは気にしない」という方の中には、あえて事故物件を探している方も多くいます。
春に向けて、引っ越しや物件探しを控えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、事故物件の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
1. 事故物件で告知が必要な状況とは?
告知が必要かどうかは、亡くなり方や場所によって異なります。
以下の表を参考にしてみてください。
例えば高齢者が老衰により亡くなった場合や、転倒して死亡した場合は、入居者に告知する義務はありません。
一方、他の部屋での自殺や他殺等は「告知義務なし」となりますし、入居者から尋ねられた場合に「告知義務あり」となるケースもあります。
また、「社会的影響があり、伝えるべきと宅建業者が判断した場合」に告知義務が発生することもあるため、確実に伝えてもらえるとは限りません。
事故物件がどうかは、内覧時に不動産会社などに確認することをおすすめします。
2. 事故物件の3つのデメリット
事故物件には、以下のような3つのデメリットがあります。
認識したうえで、事故物件を選ぶかどうか判断しましょう。
2.1 精神的に負担がかかる
人によっては、精神的な不安を感じながら生活することが「ストレス」になります。
実際に住んでから起こる様々な現象を「怪奇現象」と捉えてしまい、人が亡くなったことを原因と考えてしまう方もいるでしょう。
例えば「隣人の足音」「床や柱がきしむ音」を怪奇現象と捉えてしまう方もいます。
住みにくくなって早々に退去に至れば、初期費用や引越し費用が無駄になるため、しっかり考えてから入居しましょう。
2.2 匂いが部屋に残っているケースがある
物件によっては、部屋に体液などの「匂い」が残っているケースがあります。
死亡の発見が遅れたり、事件で亡くなった場合などには匂いの程度がひどくなるからです。
通常清掃で、匂いや汚れが取り切れない物件では「特殊清掃」によって部屋をきれいにします。
オゾン脱臭機などを利用して部屋の隅々まで消臭するため、ほとんどの匂いが除去可能です。
事故物件を選ぶ際には、特殊清掃が完了しているか確認してみましょう。
2.3 借りるタイミングによっては家賃が下がらない
自殺や他殺、火災などにより亡くなった方の物件は、相場よりも家賃が安いケースが多いです。
いわゆる「事故物件」には入居者付けが難しいため、家賃を下げて募集しているケースが多くみられます。
しかし賃貸物件の場合、事故物件になってから3年が経過すれば、入居者への告知義務がなくなります。
部屋で人が亡くなっている物件だとしても、家賃が下がりません。
住んだあとに近所の人から「その部屋は以前殺人事件があった」と聞かされて、嫌な思いをしないように「過去に事件や事故があったかどうか」を、あらかじめ不動産会社などに確認してみるのがおすすめです。