現在、40歳代~50歳代前半にあたる方は、「就職氷河期世代」に該当します。
バブル崩壊後の不景気により新卒採用を見送る企業が多く、優秀な人材であっても正規雇用に至らない、そんな不遇な時代を過ごしてきた世代です。
そして就職氷河期世代にあたる年代の方々は、いま、老後に向けた準備段階にあります。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、50歳代・ひとり世帯の貯蓄額をみていきます。
1. 【50歳代・ひとり世帯】貯蓄ゼロの世帯は約40%…
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」より、50歳代・ひとり世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【50歳代・ひとり世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合
- 39.6%
1.2 【50歳代・ひとり世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1048万円
- 中央値:53万円
1.3 【50歳代・ひとり世帯の貯蓄額一覧表】金融資産を保有していない世帯を含む
- 金融資産非保有:39.6%
- 100万円未満:11.5%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:4.4%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:3.0%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:4.6%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:4.1%
- 3000万円以上:9.6%
50歳代・ひとり世帯のうち「貯蓄ゼロ」の世帯や39.6%と、約4割を占めています。
なお、上記の貯蓄額(金融資産保有額)には現金・預貯金のほか、株式、投資信託、債券などの金融商品残高も含まれています。
つまり、老後資金はおろか、いま不測の事態が起きたときに対応できる資産がない方が半数近くいる、という結果に。
毎月の生活は、給与やその他の所得だけでやりくりしているのでしょう。
では、老後は国民年金や厚生年金といった公的年金が収入の軸となるのが一般的ですが、毎月どのくらい受け取ることができるのか。次章で確認してみましょう。