遠方に住む83歳母が特別養護老人ホーム(以下、特養と記載)の入所を希望していますが、近隣の施設はどこも待機者が多いようです。子ども世帯はみな遠方に住んでおり、この先の一人暮らしも不安。特養に早く入所するためのコツはありますか?

ケアマネジャーの筆者に、こんなお悩みが寄せられました。ご家族が近くでの見守りや支援ができないため、心配なことも多いかと思います。ご相談にお答えしながら、詳しく解説していきましょう。

1. 特養に早期入所できるコツはある?

1.1 特養(特別養護老人ホーム)の基本

まずは特養の特徴を簡単に確認しておきましょう。特養に入所できるのは、原則として要介護3以上の高齢者で、自宅での生活が困難な方が対象です。比較的低額な入居費が魅力となり、待機者(入所待ちしている人)が多い傾向にあります。

1.2 特養に早期入所できるコツはあります。カギを握るのは「判定会議」

ご質問への結論を申し上げますと「特養に早期入所できるコツはある」というのが回答です。特養入所の可否や順番は、施設が開催する「判定会議」で決定されます。判定会議で主に検討されるのは、以下の3つです。

【一覧表】特養入所の「判定会議」で検討される3つの要素

特養入所の「判定会議」で検討される3つの要素

出所:LIMO編集部作成

  1. 介護度や介護保険サービスの利用状況
  2. 既往歴や認知症の有無
  3. 家族の状況など

※施設によって判定の基準や項目は異なりますが、上記は重要な要素です。

施設の入所審査は、上記の項目を基準に行われます。緊急性の有無などで、後から申し込んだ人が先に入所することも珍しくありません。ですから早期入所を希望する場合には「判定基準にできるだけ近づける」ことが重要になってきます。

次では、これらの基準に近づくために、どのように行動するべきかについて詳しく解説していきます。