4.1 年金以外の資産を作る「老後に向けた準備」3つのポイント
年金の記事に興味を持っていただいた方にお伝えしたいのは、「年金以外にどう老後資産を準備するか」ということです。
老後に向けて資産を準備する上で、非常に大事なポイントを3つ紹介します。
ポイント1. 「ゴールを知る」
1つ目は、「ゴールを知ること」です。
理想のセカンドライフを実現させるためには、どの程度の老後資金が必要となりそうでしょうか。また、自分自身は将来年金をどのくらい受給できそうでしょうか。
かつて話題となった「老後2000万円問題」は、標準的な夫婦世帯をモデルケースとした試算結果に過ぎません。実際に必要となる老後資金は、世帯の状況により千差万別ですね。
持ち家派か賃貸派か、サラリーマンか自営業か、人や状況によって千差万別です。
リタイヤ後の「ゆとり」があるかどうかは、いかに老後を自分ごとと捉えて老後資金の準備に取り組んできたかどうかで決まるといっても過言ではないかもしれません。
ポイント2. 「いかに早く資産形成をスタートできるか」
2つ目は「いかに早く資産形成をスタートできるか」です。
老後の暮らしにはときに数千万円が必要とも言われます。多くの世帯にとって、一長一短で準備できる金額とは言い難いでしょう。
将来資金を作り出すためにはじっくりと長い時間をかけることが大切になってきます。時間は待ってくれません。たった1年、2年の違いが、後々に大きな差になることもあります。
ポイント3. 「積立投資を活用する」
3つ目は、「積立投資を活用すること」です。
上手に効率よく資産を増やすためには、「積立投資の活用」を検討するのも一案です。「毎月3万円を30年間」貯蓄した場合を例にあげます。
《預貯金で積み立てた場合》
- 1080万円 (3万円×12カ月×30年)
※利息や税金は考慮しないものとする
《積立投資で準備した場合》
- 2496万円
※想定利回り(年率5%) ※金融庁資産運用シミュレーション活用
同じ積立期間で、同じ金額を積み立てていきますが、効果の違いは歴然です。長期間運用することによって、複利の効果も重なって非常に大きな差となります。
まとめにかえて
今回はサラリーマンが受け取る厚生年金の受給額事情を眺めた後、年金以外の資産を作るヒントについても考えてきました。
まずは自分が受け取れる年金受給額について「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみましょう。老後に向けた資産形成のゴールを設定する上で、大切な情報となるでしょう。
最適な資産形成のスタイルは人それぞれです。ご自身や家族のライフスタイルに合うマネープランを立て、上手にお金を育てていけるとよいですね。
参考資料
荻野 樹