LIMOが2023年02月にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。
(初掲載*2023年02月06日)
2022年12月、厚生労働省が発表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、基礎年金(国民年金)の年金月額は平均5万6368円です。
会社員や公務員についは、この基礎年金に加えて、厚生年金を受給することができます。では、厚生年金の最新月額はいくらなのでしょうか。
今回は、厚生年金の受給額にスポットを当てて最新データをみていきます。
1. 年金制度のおさらい
まずは簡単に年金のしくみを確認しましょう。日本の公的年金制度は、「国民皆年金」となっています。
国内に住む20歳以上の全ての人が加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金などによる、いわゆる「2階建て」と呼ばれる構造です。
国民年金のみに加入している人(自営業者などの第1号被保険者)は、毎月保険料を自分で納めます。
厚生年金や共済年金に加入している人(会社員や公務員などの第2号被保険者)は、毎月の保険料を会社と折半で負担し、保険料は毎月の給料から天引きされます。
専業主婦など、第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号被保険者)は、個人として保険料を負担する必要はありません。
受給要件を満たした場合、老後には全ての人が老齢基礎年金を、厚生年金などに加入していた人は、それに加えて老齢厚生年金を受け取ることができます。
このように、公的年金制度は、基本的に日本国内に住む20歳から60歳の全ての人が保険料を納め、その保険料を高齢者などへ年金として給付する仕組みとなっています。
2. 2023年度の厚生年金・国民年金は3年ぶりの引き上げへ
厚生労働省が2023年1月20日に、2023年度の年金受給額の引き上げを公表しました。
2.1 《国民年金(老齢基礎年金)》
- 6万6250円(1人分)
2.2 《厚生年金》
- 22万4482円(※夫婦2人分)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
ちなみに2022年度の厚生年金受給額は、21万9593円でした。金額にして4889円の上昇となりますが、昨今の物価上昇を踏まえると、実質的には目減りしているとも言われています。
上記で紹介した厚生年金の月額は、あくまでも標準的な夫婦世帯が受けとる「モデル年金」呼ばれるものです。では、「1人当たり」の金額はどうなっているのでしょうか。
次では、一人あたりの厚生年金受給額にスポットを当ててみます。