3. 個別銘柄の売却、入れ替え…「リバランス」の考え方

新NISAでの資産運用を生涯行う場合でも、個別銘柄の売却や入れ替えなどを検討する方も少なくありません。

続いては、銘柄の売却やリバランスについて考えていきます。

3.1 生涯の非課税枠「1800万円」を使い切ったとき

1800万円の生涯の非課税枠を使い切ったときが、銘柄の売却を検討する一つのタイミングと考えられます。

新NISAは1800万円を使い切っても、保有銘柄を売却すれば翌年には非課税枠が復活します。

もし、満額に達したタイミングでほかに投資したい銘柄があるときには、多くの含み益の出ている銘柄からさらなる上昇が期待しにくい銘柄を売却するのも一案です。

3.2 リスクをゆるやかにするため売却を考えたとき

資産運用では、基本的に年齢が上がるほどリスクを落としていくのがセオリー。

若いときは、リスクは比較的高めでもリターンが大きい株式中心に、老後にさしかかったら徐々に債券の比率を高め、資産を大きく減らさないよう安定運用していくのも有効な方法です。

この形で実践する場合、年々株式や株式ファンドを売却し、債券や債券ファンドに入れ替えていく作業が発生します。

先程と同様に、非課税の恩恵を最大限享受するためには、含み益が大きい銘柄を売却するのが一つの考え方といえます。

4. 投資目的や目標を明確にして「新NISA」を活用しよう

ライフプランに応じて、自分にあった「新NISA」の活用法を模索してみよう

出所:金融庁「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」

新NISAが始まり、制度改定により使いやすくなりました。しかし、将来上手くお金を増やして受け取るには、出口の面で注意が必要です。

そもそも、必ずしも新NISAの運用自体を完全にやめる必要はありません。

老後に差し掛かっても余剰資金については新NISAでの運用を継続し、投資収益を得ることにより資産の取り崩しペースを遅らせるのも有効な判断の一つです。

資金が必要になった場合には、部分的に保有銘柄を売却して現金化しつつ、残りの部分では投資を継続するとよいでしょう。

本記事を参考に、運用終了期間や売却するタイミングなど、出口戦略を計画的に立てた上で資産運用をスタートしていきましょう。

参考資料

菅原 美優