2. 「任意後見制度」や「家族信託」で備える

親が元気なうちに検討したい「任意後見制度」「家族信託」

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子どもが親の金銭管理を法的に行うには、親が元気なうちに「任意後見制度」または「家族信託」のどちらかの契約を交わしておけば、その後の財産管理ができるようになります。それぞれについて以下に説明します。

2.1 任意後見制度

任意後見制度とは、本人の判断能力があるうちに、あらかじめ自分が選んだ人(任意後見人)に、自己の生活、財産管理や介護サービス締結などの手続きを依頼して、契約(任意後見契約)を交わしておく制度です。

この契約を任意後見契約といい、委任する内容は公証人の作成する公正証書に定められます。

2.2 家族信託

家族信託とは、本人の財産(不動産・預貯金・有価証券等)を、信頼できる家族などに託して、財産管理を行う制度です。

家族信託の契約には「委託者」「受託者」「受益者」の3者を定めて契約します。今回の親と子が該当するのは、以下のとおりです。

  • 「委託者」=財産のもともとの所有者(親)が該当
  • 「受託者」=財産の管理運用処分を任される人(子)が該当
  • 「受益者」=財産権を持ち、財産から利益を受ける人(親)が該当

これより、子が親の意向に応じて親の財産を、柔軟に活用することができます。

高齢になれば誰もが認知症になるリスクを抱えています。子どもが親の介護に限界を感じたとき、一時的でも金銭的な負担を強いられることは避けたいものです。そうならないためにも、早いうちから、いずれかの方法で準備しておくことが大切です 。