2015年10月1日に「被用者年金の一元化」が実施され、共済年金は厚生年金に統一されました。

一元化によって公務員が受給する年金はどうなったか気になる人もいるでしょう。

本記事では公務員の年金事情について解説します。2023年12月に公表されたばかりの、最新の厚生年金額も確認しましょう。

一元化による変更点も紹介しますので、将来の年金額を確認するときの参考にしてください。

1. 被用者年金の一元化

2015年10月1日、「被用者年金一元化法」が施行され共済年金は厚生年金に統一されました。

一元化以降、公務員の支払う保険料は厚生年金保険料、受け取る年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金になります。

ただし、一元化以前に支払った共済年金保険料に対する給付は退職共済年金です。

そのため、2015年10月1日前後に公務員として勤務していた人は、老齢厚生年金と退職共済年金の両方(老齢基礎年金も従来通り受給)を受け取ることになります。

一元化により、公務員の年金手続きは一部を除き日本年金機構または各共済組合のどちらの窓口でもできるようになりました。

ただし、共済年金加入中に支払った保険料に対する年金は、実際には共済組合が支給します。

また、一元化により共済年金の加算部分の取り扱いが変わりました。

加算部分を含めて、一元化前と後に公務員に支給される年金について見ていきましょう。

2. 一元化前の公務員の年金

公務員の期間が被用者年金一元化の前までの場合、65歳以上の公務員が受け取る年金は次の3つです。

  • 老齢基礎年金
  • 退職共済年金
  • 職域加算


老齢基礎年金は一元化に関係なく、国民全員に共通して支給されるものです。

退職共済年金は、会社員などが受給する老齢厚生年金に該当します。

一定の要件を満たせば、加給年金(配偶者や子どもに対する加算)などの加算がつくことも共通しています。

一方、職域加算は共済年金独自のしくみで、厚生年金制度にはないものです。

一般に、「公務員は年金が多い」といわれる一因です。