大企業を中心に、賃金引き上げの動きが見られます。

しかし、日本は中小企業が圧倒的に多く、中小企業の賃上げが行われなければ、景気改善に繋がるとは言えないでしょう。

ここ数年、物価上昇が続いていますが、収入が増えなければ支出は膨らむ一方。

「みんな手取り収入からどれくらい貯蓄しているの?」と気になる方もいるでしょう。

今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、50歳代・二人以上世帯の収入からの貯蓄割合と、貯蓄事情をみていきます。

1. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄ゼロは何パーセント?

50歳代・二人以上世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」の人はどれくらいいるのでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

1.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合

  • 24.4%

1.2 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:1253万円
  • 中央値:350万円

1.3  【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:24.4%
  • 100万円未満:9.3%
  • 100~200万円未満:5.8%
  • 200~300万円未満:4.2%
  • 300~400万円未満:5.1%
  • 400~500万円未満:3.2%
  • 500~700万円未満:5.0%
  • 700~1000万円未満:5.7%
  • 1000~1500万円未満:8.8%
  • 1500~2000万円未満:6.0%
  • 2000~3000万円未満:7.2%
  • 3000万円以上:10.8%

50歳代・二人以上世帯は、貯蓄が思うように進んでいない世帯が多いようです。

一般的に、50歳代は収入がピークとなる年代ですが、教育費や住宅ローンの返済などの出費が多い年代でもあります。

世帯ごとにお金事情は異なるものですが、共通していえることは「老後が目前に迫っている」ということ。

老後2000万円問題が話題になったように、老後は公的年金だけで生活するのは難しいと考えられます。

貯蓄が十分でない世帯は、老後に向けてラストスパートをかけたいものです。