2023年度、住民税非課税世帯や所得税非課税世帯といった低所得世帯を対象に現金給付が決定し、各自治体においてその手続が進められています。

コロナ禍以降、頻繁に見聞きする機会が増えた「非課税世帯」。

なかでも、年金受給開始年齢となる65歳以降の住民税非課税世帯の割合が高くなっているようです。

本記事では「住民税非課税世帯」の年代別の割合と、シニアの大切な収入源となる年金受給額より、年金暮らしを覗いていきたいと思います。

1. 住民税非課税世帯とは?

住民税非課税世帯とは、その名の通り住民税が非課税となる世帯を指します。

住民税には「所得割」と「均等割」の2種類がありますが、一般的には世帯員全員がそのどちらも非課税になる場合に限り、住民税非課税世帯となります。

具体的には、以下のいずれかの条件を満たす世帯となります。

  • 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
  • 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
  • 前年の合計所得金額が各自治体が定める基準※より少ない方

※基準額については自治体によって異なります。

1.1 住民税非課税世帯になる条件

住民税非課税世帯となる所得額の目安は自治体により異なります。

東京都23区内の場合は、以下のとおりとされています。

同一生計の配偶者または扶養親族がいる場合

合計所得金額が35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下

同一生計の配偶者及び扶養親族がいない場合

合計所得金額が45万円以下(給与所得者であれば、年収100万円以下)

住民税非課税世帯に関する詳細は、お住いの自治体のホームページや窓口でご確認ください。

2. 65歳以上の35%が「住民税非課税世帯」に該当

厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、年代別の住民税非課税世帯の割合は次の通りとなりました。

出所:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成 注:「総数」には年齢不詳を含む

2.1 年代別の住民税非課税世帯の割合

  • 29歳以下:29.7%
  • 30歳代:9.2%
  • 40歳代:9.2%
  • 50歳代:11.3%
  • 60歳代:19.2%
  • 70歳代:34.9%
  • 80歳代以上:44.7%
  • 65歳以上:35.0%
  • 75歳以上:42.5%

上記のとおり、29歳以下と60歳代以降の住民税非課税の割合が高くなっています。

また、一般的に年金暮らしが始まる「65歳以降」で絞ると35%という結果に。75歳以上になると約43%の高齢者が住民税非課税世帯に該当します。

「年金暮らしってそんなに厳しいの?」と不安になった方もいるでしょう。

いまのシニア世代は、実際に年金をどれくらい受け取っているのか?次章で確認していきます。