公務員は、おおむね大企業と生涯賃金の水準が近い傾向にあります。

大企業は相対的に生涯賃金が高く、待遇がよいのが特徴です。

また、公務員・大企業ともに年金受給額も高いと期待されます。

今回の記事では、大企業や公務員の生涯賃金、年金制度をまとめました。

年度末に向け、キャリアを再考している方は参考にしてみてください。

1. 大企業と公務員の賃金

大企業と公務員では、賃金にどれほどの差があるのでしょうか。比較してみます。

1.1 企業規模1000万円以上(大企業)の賃金

企業規模別の生涯賃金は次の通りとなっています。

規模が大きいほど、平均的な生涯賃金は上昇する傾向にあります。

例えば男性で大学卒の場合、企業規模1000人以上では2億9000万円にまで達するのに対し、企業規模10~99人では2億円です。

企業規模により、9000万円程度の差があるとわかります。

さらに退職金を含めれば、生涯賃金の差はさらに開くことになります。

大学卒の場合、男性は10~99人の企業規模では 2億6000万円であるのに対し、1000人以上では3億7000万円。

女性は10~99人で2億1000万円なのに対し、1000人以上では2億9000万円となりました。

従業員数1000人以上の大企業ともなると、男性では生涯賃金が3億円を上回る水準です。

1.2 公務員の賃金

つぎに公務員の生涯賃金を試算してみましょう。

公務員の月例給の平均は、2021年度時点で約40万7000円です。

一般企業のボーナスに当たる期末手当・勤勉手当が合わせて月例給の4.3月分支給されます。

金額にするとおよそ年間170万円です。

以上の情報を基にすると、平均年収は約663万円となります。

仮にベースアップがない場合、平均年収663万円で23歳から65歳まで43年間働くとすると、生涯年収は2億8500万円と試算されます。

ただし、公務員も緩やかに賃金体系自体が上昇しているため、実際の平均生涯年収はもう少し高い可能性もあります。

以上の統計から見ると、公務員の平均的な給与は1000人以上従業員を抱える大手企業と同程度と考えられます。

ただし、公務員も大企業も、企業(機関)や部署・職種等により給与水準が大きく変わる点には注意が必要です。