2. 【60歳代・ひとり世帯】手取り収入からの貯蓄割合は何パーセント?

では、60歳代は手取り収入からどれくらいの割合で貯蓄に回せているのでしょうか。

金融広報中央委員会の同資料より「年間手取り収入(臨時収入含む)からの貯蓄割合」を確認します。

なお、こちらは金融資産保有世帯のみを対象にした調査項目です。

【60歳代・単身世帯】年間手取り収入(臨時収入含む)からの貯蓄割合

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」をもとにLIMO編集部作成

2.1 【60歳代・ひとり世帯】年間手取り収入からの貯蓄割合

  • 平均:10.0%
  • 5%未満:5.4%
  • 5〜10%未満:8.6%
  • 10〜15%未満:15.3%
  • 15〜20%未満:3.2%
  • 20〜25%未満:6.7%
  • 25〜30%未満:1.3%
  • 30〜35%未満:2.9%
  • 35%以上:9.6%
  • 貯蓄しなかった:47.1%

最も多いのは「10〜15%未満」で15.3%、平均は10%でした。

手取りの何%を貯蓄するかは個人差が出るものでしょう。しかし、働くシニアが増え続ける現在、同世代の平均を一つの指標にするのもよいかもしれません。

3. 老後、年金に頼りすぎない「計画的な資産づくり」を

60歳代・ひとり世帯の「貯蓄100万円未満の割合」と手取りからの貯蓄割合を確認したところ、貯蓄している人と貯蓄ゼロな人とで二極化している部分もありました。

家庭環境や社会情勢の変化により貯蓄できない場合もありますが、継続的に貯蓄を続けるためには、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りのお金で生活していく「先取り貯金」が効果的です。

先取り貯金であれば、基本的に一度申し込みをすれば毎月一定額を貯蓄できます。

普段から使いすぎてしまう人も、きちんとお金を貯められる可能性が高まるでしょう。

また、先取り貯金は預貯金だけでなく「投資信託」などの積み立てといった運用もあります。元本割れのリスクこそあるものの、2024年からは新NISAがスタートするなど一つの選択肢として考えやすい時期になりました。

これを機に、自身のライフプランや働き方に合った貯蓄方法を考えてみてはいかがでしょうか。

3.1  【ご参考】60歳代・ひとり世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:28.5%
  • 100万円未満:8.0%
  • 100~200万円未満:5.7%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:3.6%
  • 400~500万円未満:2.7%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:4.6%
  • 1000~1500万円未満:6.6%
  • 1500~2000万円未満:3.6%
  • 2000~3000万円未満:6.8%
  • 3000万円以上:16.9%

参考資料

荒井 麻友子