4. 月20万円以上の年金を受給するために必要な年収はいくらか
厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに試算すると、月20万円以上の厚生年金を受給するために必要な年収の目安は、約730万円です。
1990年生まれの人が、23歳から64歳まで平均年収730万円で働いた場合、65歳から月に約20万円の年金を受給できます。
日本人の平均給与が443万円なので、平均よりもかなり高い水準の収入が必要です。
また、受給開始時期を遅らせれば、月額受給額を増やすこともできます。
たとえば、70歳から受給を開始すれば、23歳から64歳まで平均年収410万円で月20万円の年金の受給が可能です。
もちろん、生活が苦しいのに無理に受給開始を遅らせることはおすすめしませんが、受給額を増やせば、生きている限り同額を受給し続けられるので、余裕のある方は検討するのもいいでしょう。
※いずれも厚生労働省「公的年金シミュレーター」にて試算
5. まとめにかえて
厚生年金受給者で月20万円以上の年金を受け取る人の割合は15.5%でした。
月20万円以上年金を受け取れる人は約6.5人に1人と少数派であると言えるでしょう。
また、年金受給開始を遅らせれば年間受給額は増えますが、現役時代に年収が低かった人ほど老後の生活に余裕がない場合が多く、受給開始時期を遅らせるのは難しいでしょう。
とはいえ、どこかで努力や工夫をしなくては金銭的に豊かな老後は手に入りません。
「現役時代に副業や転職をして、少しでも年収をあげる」「人よりも節約して資産を蓄える」「60歳以降も長く働いて受け取れる年金を増やす」「年金の受給開始を遅らせる」など、老後に備える方法はさまざまです。
できるだけ早く老後に向き合い、老後の準備を計画的におこないましょう。
参考資料
苛原 寛