3. 個人差大きい「厚生年金の受給額」まずは見込額を確認しよう!
サラリーマンが老後に受給する厚生年金の月額には、大きな個人差があることが分かりました。老後を見据えたマネープランを立てようとしたとき、平均額を鵜呑みにするのではなく、自分自身のの年金見込額は大切な情報となりますね。
ここでは、老後の年金額を調べる2つの手段についてお伝えします。
3.1【年金見込額を確認!】ねんきんネットの活用
日本年金機構が運営する「ねんきんネット」に登録をすると、納付記録や年金額などに関する情報にアクセスできます。電子版「ねんきん定期便(後述)」もチェック可能です。
条件を設定して、将来の年金見込額をシミュレーションする機能もあります。働き方を変えたり、未納分を納付した場合、将来の年金額がどう変化するかを知りたい場合などに活用できるでしょう。
思い立ったときにパソコンやスマートフォンから確認できる点は便利ですね。
3.2 【受給額の確認】ねんきん定期便の活用
誕生月に日本年金機構から郵送される「ねんきん定期便」もぜひ活用しましょう。
多くの情報がインターネットを通じて入手できるいま、「1年に1度、郵便で届く」お知らせはインパクトがありますね。ペーパーレス化が進んでも、やはり「大事なお知らせは郵送で受け取りたい」という人も多いでしょう。
ねんきん定期便には、50歳未満の方であれば現時点までの加入実績に応じた年金額が記載されています。
50歳以上になると支払いを継続した場合の見込額が記載されているため、リアルに老後の収入をイメージできるでしょう。
4. 年金だけで足りる?老後のひとり暮らし「月の生活費は約14.5万円」
今回は、男性の厚生年金の受給額事情をみてきました。
老後生活の目安となる月15万円以上の年金を受け取る男性は全体の64.2%。男性の半数以上の方がこの金額を受け取れているようですが、実際の受給額分布を見ると個人差が非常に大きいことが分かります。
冒頭でも触れたように、標準的な老後のひとり暮らし世帯の生活費はひと月14万4747円。年金暮らしが始まると、現役時代よりも少ない収入の範囲でやりくりする必要のある世帯がほとんどでしょう。
物価の上昇が続くいま、仮に年金を15万円もらえたとしても、その年金収入だけで老後は暮らしていけそうかも点も気になりまね。税金や社会保険料などの天引きも考慮しておく必要があるでしょう。
年金だけに頼る老後は心もとないと感じる場合には、できるだけ早めに対策を立てていきたいですね。預貯金をコツコツ貯めることはもちろん、資産運用でお金を増やす仕組みづくりも視野に入れてみると良さそうです。
預貯金とは異なり、資産運用には元本割れのリスクがあります。情報収集をしっかり行い、ご自身に合う金融商品を選んでいきましょう。
国の税制優遇制度である「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」などの活用を検討するのも一案です。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2022年12月)
- 日本年金機構「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)
徳原 龍裕