3. 年金の繰上げ受給や繰下げ受給とは
年金は原則65歳から受給しますが、60歳~75歳になるまでの間で支給開始時期の選択が可能です。
65歳より早く支給を開始する場合(繰上げ支給)は、支給開始を1カ月早めるごとに年間受給額が0.4%減額となります。
一方で、65歳より支給開始を遅らせる場合(繰下げ支給)、年間支給額の増額率は1カ月ごとに0.7%です。
実際に繰上げ・繰下げ受給を利用している人はどの程度いるのでしょうか。
厚生年金受給者の繰下げ受給・繰下げ受給を選択している人の割合は以下のとおりです。
3.1 年金の繰上げ受給・本来受給・繰下げ受給の割合
- 2017年度:繰上げ受給0.2% 本来受給99.1% 繰下げ受給0.7%
- 2018年度:繰上げ受給0.3% 本来受給99.0% 繰下げ受給0.7%
- 2019年度:繰上げ受給0.4% 本来受給98.8% 繰下げ受給0.8%
- 2020年度:繰上げ受給0.5% 本来受給98.5% 繰下げ受給1.0%
- 2021年度:繰上げ受給0.6% 本来受給98.3% 繰下げ受給1.2%
繰上げ受給や繰下げ受給をする人はまだ少数ですが、徐々に利用率は上がっています。
4. まとめにかえて
厚生年金受給者の平均年金月額と、国民年金のみの受給者の平均年金月額には約2.5倍もの差があります。
そのため、フリーランスなどの自営業者が年金だけで老後の生活を乗り切ることは難しいでしょう。
年金の繰下げ受給やiDeCo、NISAなどを利用し、老後のためのお金を用意する工夫が必要です。
参考資料
苛原 寛