LIMOが2023年01月にお届けした記事から、注目の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年01月31日)

先日、2022年12月の消費者物価指数が公表されました。天候の影響を受けやすい生鮮食品を除いた数字で対前年比4%上昇と物価の上昇が止まりません。

様々なモノが値上げされており、家計が圧迫されており、収入の増加が望めない年金世帯にとっては苦しい状況が続くことが予想されますね。

そんな中、厚生労働省は1月20日、令和5年度(2023年度)の公的年金額の引き上げ決定を公表しました。

もちろん、年金額引き上げは歓迎すべきことですが、そもそもいまのシニア世代がどの程度の年金を受け取れているのかも気になります。

そこで今回は、国民年金・厚生年金の最新版の受給額事情をながめたあと、今回公表された年金の引き上げ幅についても整理します。

1. 公的年金制度のしくみを確認

老後の暮らしを支える年金制度。まずはそのしくみの基本をおさらいしましょう。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2種類で構成される、いわゆる「2階建て」の制度が採用されています。それぞれの特徴は以下の通りです。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)
  • 年金額:満額79万5000円(※令和5年度の年額)✕調整率(480カ月に未納期間がある場合は減額されます。)

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せで支給)

就業形態などによって加入する年金種類が異なるため、受け取る年金には個人差が出ます。厚生年金に加入している方の年金額は、国民年金のみを受け取る場合よりも手厚くなるのが一般的です。