5. 美術品・骨董品の評価はどうすればいいの?
美術品・骨董品の価値の申告は、個人で税務署に申請します。その際には、専門の鑑定業者・買取業者に正確な時価評価額(精通者意見価値)を出してもらうとよいでしょう。
相続は精神的に疲労する場合が多いですから、確実に行っていきたいものです。
〝美術品、宝石、ブランド品、その他これに類する動産について、その真贋鑑定を行い、鑑定書又はそれに類する証明書等を付すことでその価値が高まると認められる場合は、鑑定人等に鑑定を依頼するものとし、また、見積価額が比較的低額と認められる財産で、適当な取引事例があり評価可能と認められるときは、精通者意見等を参考にするなど、合理的かつ簡易な方法で評価して差し支えない。
なお、美術品等の評価に当たっては、その種別、作者別、年代別等による市場価格又は類似品の取引における価格を参考として評価すること。(国税庁)”
6. 美術品・骨董品を鑑定してくれる業者3社
※特定の企業・団体を推奨するものではありません。
6.1 日本アート評価保存協会
美術品・骨とう品の時価評価を行い、その美術品評価書(価額)を提供しています。日本で流通しているほとんどのジャンルの美術品が取り扱い対象です。刀剣、コイン、古文書は対象外です。
美術品の真贋を定める鑑定は行っていません。
費用は評価査定額に応じた手数料が発生します。
- 100万円未満:11,000円
- 100万円以上~500万円未満:33,000円
- 500万円以上~1000万円未満:55,000円
6.2 日本税理士協同組合
日本税理士共同組合は、全国7万6000人を超える税理士を対象とした組合です。 美術品の鑑定サービスも行っています。
鑑定料金は有料で、書面確認の場合は3万4500円~。 現物確認の場合には日当や交通費などの実費がかかります。 利用前には見積もりを取ってみましょう。
6.3 美研鑑定
株式会社美研鑑定は、相続する資産等の保険・資産の査定評価を専門の企業。日本税理士協同組合連合会指定会社で、美術品や工芸品、宝石貴金属等の査定評価しています。
税務申告する上で必要な評価を行い、対象物件の処分方法などの相談も受け付けています。 気になった方は見積もり依頼をしてみましょう。
7. 親との相続は生前時に計画を立ててみましょう
膨大な事務処理がある相続は大変です。もしものことを考え、前向きに考えてみてはどうでしょうか。
特に、美術品や骨董品は申告漏れが発生しやすい資産ですから早めに対応することをおすすめします。
参考資料
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「【三菱UFJ銀行】家族のじかんと相続に関するインターネット調査を実施~年末年始は家族で過ごす時間を大切にしつつ、もしもに備えて相続の話もしてみてはいかがでしょうか?~」(2023年12月13日)PR TIMES
- 「三菱UFJ銀行 相続手続きサポートWebサービス『そうぞくガイド』」
- 国税庁「動産の評価」
青木 絵莉華