2. 【最新版】厚生年金と国民年金の受給額はいくら?

70歳代のおひとりさま世帯では、厚生年金と国民年金をどのくらい受給しているのでしょうか。

貯蓄額が不十分であっても、年金を十分に受け取っていれば生活費をまかなうことができます。

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代おひとりさま世帯の令和4年度の厚生年金と国民年金の平均受給額は以下の通りです。

厚生年金の平均受給額は70歳代前半で14万2779円、後半で14万6092円となっており、平均すると14万4435円です。なお、この金額には国民年金も含まれています。

国民年金は、70歳代前半が5万7084円で後半が5万6205円で、平均すると5万6644円となっています。

2.1 年金だけでは毎月赤字になる可能性が高い

70歳代のおひとりさま世帯の平均年金受給額は、厚生年金で14万4435円、国民年金で5万6644円ということがわかりました。では、1ヵ月の生活費はどのくらいかかっているのでしょうか。

総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上のおひとりさま世帯の1ヵ月の平均支出額は14万3139円です。

厚生年金受給額は平均14万4435円なので、厚生年金を受給している方の中には年金だけで生活費をまかなえる方もいるでしょう。

しかし、国民年金だけを受給している方は平均5万6644円なので、約8万8000円の赤字が出る可能性があります。

自営業や個人事業主など国民年金のみの受け取りとなる方は、付加年金や国民年金基金に加入したり、iDeCo(個人型確定拠出年金)で資産形成をしたりするなどの対策が必要でしょう。

3. まとめにかえて

国勢調査によるとおひとりさま人口は年々増加傾向にあり、70歳代といった高齢でもおひとりさま生活を送っている方が多くいらっしゃいます。

70歳代おひとりさまの平均貯蓄額は1433万円ですが、より実態に近い中央値は485万円となっており、まとまった出費が必要になったときに貯蓄でまかなえない可能性も出てきます。

また生活費は、厚生年金受給者であればギリギリ赤字を出さない程度の金額ですが、国民年金受給者においては毎月約8万8000円不足する可能性もあります。

老後資金の準備を始めようと思い立ったら、預貯金や投資信託、iDeCoなどを活用して資金形成をすることをおすすめします。

参考資料

木内 菜穂子